昼下がりの路地裏

通り掛かるだけでもゴロゴロしてる忍者と話しても良い。

今日は酒場で売れ残ったおにぎりを貰えました！ごちそうです！なんと！水もあります！

もぐもぐ。こころなしか生気がもどって顔がはっきりした気がします。

画、おめでとう。
初めまして、リュスラスという。旅人。種族はエルフのようなオーガのようなもの。
まるで接点などはないが、画を見て気になってな……ここは路地裏か？　きちんと食えているのか？

（遠慮なしに、燗鍋に飲料水を入れて湯を沸かし始めた。芋がら縄と干飯をぐつぐつ煮る）

は！エルフ・・・エルフ・・・。
拙者の世界では架空の種族でしたが異世界には本物がいたのですね！
リュスラス殿ですな！拙者は夢見・ルル家と申します！

ここは拙者の仮のねぐらです！近所の人に怒られたら出ていく仮り暮らしの拠点です！
まことに恥ずかしながら拙者こちらに来てから無一文にて、衣食住すべてに事欠いてる有様です・・・。
（ぐつぐつと煮える鍋を見てよだれをたらしながら）

るるいえか。
「異世界には」というと貴女は旅人か。生憎だが私は現地民ではない。異世界人だ。
身分は、日本国埼玉県川越――（よだれを見る）
（携帯焚火台から降ろして、味噌雑炊を茶碗に盛り、木匙をつけてを差し出す）

遠慮は要らぬ。食われよ。
ただ、飢餓が続いたあと、いそいで食うと『死ぬ』らしいでな。ゆっくりよく噛むべし。

はっ！お恵み！？貴方が神か！？
いただきます！
（話を聞いていたのかガツガツと食べる）
日本国…というと地球の国でしたかな？忍者発祥の地。
知り合いにも幾人か日本出身の方がいます。
これがまたややこしいことに全員似た別の世界という事らしいですが。

街角でも日本人と良く会うが、私の世界の話をすると「俺の知ってる埼玉じゃない」と言われるな。

ふむ、忍者？　そうだな。サムライとニンジャがいた地だ。
私は冒険に先立って、古人の知恵、携帯保存食の再現をやっている。
この雑炊（芋がら縄と干飯）は、サムライの飯だ。
ニンジャの飯もあるぞ。兵糧丸というものでな（小袋から団子みたいなやつを出す）

蕎麦粉、豆、胡麻、蜂蜜などを固めた甘い団子だ。
箸休めに、これも食われよ。

おぉ、忍者の！頂きます！
（もぐもぐと頬張り）
ふむ、大昔の携帯食料となると味には期待出来ぬと思っておりましたが意外に食べられるものですな。

練達とやらに行けば、フリーズドライなど優れた保存食があろうが、ここは幻想国だからな。
このくらいが趣を壊さなくて丁度良かろ。

ところで、地球の国という、更に大きい括りから察した事を考えるに、何かすごいところから来ていそうだな。貴女は。

拙者は地球人類が宇宙に出て、人類の住処を宇宙の広い範囲を主にした時代の出身です。
小競り合い程度はあるものの、大きな戦争などはなく比較的平和な時代でした。

犯罪の類はあるので宇宙警察はあり、拙者はそこの所属でした。
（もぎゅもぎゅと兵糧丸を食べながら）

驚いたな。宇宙警察。遠い未来の壮大なスペース宇宙世界とは。

……着衣は、ただの布きれにすらならず、塵になったという顛末か？不在証明によって。
（自分も兵糧丸つまみ、燗鍋を軽く洗い、茶を淹れる）

ご明察であります。
えーっと（ごそごそと近くにあったゴミの山を漁り）
これですな。
（その中からマッチ箱ほどの物体を取り出す）
これが服や武器などを固定化させて身にまとう事が出来たのです。
便利なものでこれ１個でどんな服や装備でも整える事が出来たのですが…
こちらで敢え無くただの箱となり申しました。

凄い技術だな…。
そういう装備があれば、いついかなるときも、徒手を考えてなくて良くなるな。
知人に、装備をどこか異空間に収納できるギフトの者がいて、羨んだものだ。
ちなみに、私のギフトは大声を出すだけのもの。