街外れに佇む、閑静な植物園。 鉄帝の南部、幻想にごく近い場所に位置する、小さな温室型植物園。
小さなレンガ造りの家が寄り添うように建てられている。


温室内では天然の湧き水が、周囲の植物達に潤いを与えている。
植物はその殆どが何かしらの果実を成す物や薬効が認められる物が選ばれており、食料の自給や、鉄帝と言う国の環境を案じる気持ちが含まれているようだ。


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その中に作られた小さな広場。
カフェテーブルには湯気立つカップ。
クッキングストーブにはしゅんしゅんと音を立てるポットが乗せられている。


「ようこそ、ハルザ植物園へ。宜しければ、どうぞお掛けになって下さい。」


備え付けられたベンチ。その１つに座った青年が、新たな来客を笑顔で迎えた。