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美少女道場

『とある異世界の片隅で』

数多ある異界の中の一つ、通称『美少女世界』
これは美少女と番長と後はなんやかんやの人間とか亜人とかが好き勝手闊歩する世界で起こった記録である。

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(白魚のように細く透き通った指先がある男の背に触れた。音もなく、赤子を撫でるような優しさだった。が……)

グハ……ッ!!

(心臓の破裂した体で大量の血が暴れだし、口から勢いよくほとばしった)

なあ、無事か……?

(それは突然番長と美少女の間に割り込んだ男だった。手を広げ、美少女に背を向けて、必殺の一撃から武蔵を庇った男だった。やがて彼は至極穏やかな表情を浮かべながら膝をつき、そして大の字に倒れた)
(伏した男の名は大銀河武蔵。そして庇われた男の名も大銀河武蔵。彼らの胸には双子座を象った傷が浮かび、そして背景には)

“ ジェミニトリック ”

(と書かれていた。かつてクローン番長と雌雄を決した際に目覚めた、分身が生えて己をダイナミックに庇って死ぬという恐るべき防御技である)

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