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美少女道場

【RP】前略、貴方へ

貴方はこの物語の続きを知っていますか?

(美少年と美少女の間で交わされ、紡がれる童話。
 無数の手紙と原稿用紙の束。その記録)

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「今度の物語はどうだった?」
「少しだけ優しい物語だったわ」
 図書館に戻ってくるなり尋ねた魔法使いに、誰も死ななかったし、嵐にも巻き込まれなかったもの。と女の子は答えました。
「鼠たちはそれぞれ幸せと思う場所が違っていたけれど仲良くできていたね」
「そうね。きっと私が思う孤独じゃない事に近いのかもしれないわ。
 欲張りになるなら、もっと頻繁に会いに行きたいって思うけれど」
 満足げな女の子に魔法使いは微笑みました。
「それで、君の一番大事な事は孤独じゃない事、でいいのかい?」
 そう聞かれると女の子はまた黙り込んでしまいました。
 孤独じゃない事は大事な事です。でも、一番大事な事かと聞かれると少し違うような気がしたからです。
「孤独じゃない事はとても大事な事だけど、もしかすると私にとって一番大事な事ではないのかもしれないわ。
 ねぇ、魔法使いさん。皆は私の事、幸せな女の子だっていうわ。
 でもその度に、なんだかとっても寂しかったの。
 その時、幸せだなんて思ってなかったのよ。
 なのに皆が幸せだっていうから、幸せじゃないのに幸せのフリをしないといけないとおもっていたの。
 誰かが寄り添ってくれていても、その人のために心を捻じ曲げなきゃいけないのは嫌だわ」
「君の感じる事が君にとって一番大事な事だ。
 君にとって一番大事な事は、理解される事だったんだね」
 でもこまったな、と魔法使いは首をかしげました。
「君の願い事を魔法で叶えるつもりだったのに、君は大事なものを自分で見つけて、それを叶えようとしているね」
「そうね。だから、最後に一度だけ魔法使いさんにお願いしてもいいかしら」
 三つの色が見えるようになった女の子は、ここまで導いてくれた魔法使いに微笑みました。
「魔法使いさんの物語を見せてくださらない?」
 色取り取りの本が並ぶ図書館の中で、女の子が見ていた世界と同じ灰色のままの魔法使いは同じように灰色の本を開きました。

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