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美少女道場

【RP】5月某日、豊穣山中にて。

5月某日、豊穣。
麓の村で一泊した後に早朝から山に入る事となった。
途中までは村の者が拓いた山道を辿り、その次は細く草が倒れたけもの道を辿る。
山中は緑色濃く、日差しの眩しさに反して空気はしっとりとして冷えていた。
人里とは違う草の匂い、否、堆積した腐葉土の匂いか。踏み締めるごとに強く香っては人の生存圏から離れた事を主張する。

知らぬものからすれば、無軌道にけもの道を辿っている様に見えるかもしれない。
その実、等間隔に植えられた食用になる樹木、辻の積み石等、自然の中に溶け込む様に残された人工物を頼りに進んでいるのだ。
導こうとしているのは人の世の浅瀬に作られた貯蔵庫。昨晩泊まった村の隠し沢だ。

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んー。反則だが呼び出してみるか。

(本人に問題があるとは考えもせずに、小さく喉を鳴らし、歌った。

 聞きなれない言葉だろう。崩れないバベルを介して意味は問題なく拾えるが、その言語の韻の踏み方、語感、リズムは原点を参照するほかない)

世に花は多くあれど、古き枝は僅か
その中でも神聖を負う最後の一振り、死を払う灯
豪華絢爛たる墓地の主を小さなあなた達に伝えましょう

(大まかにこの様な意味の事を歌っている。が、聞かせるために歌ったのではない。
 一節を歌い上げる途中から沢の中ではうねる様に無数の魚影が現れ、歌のリズムに合わせて跳ねて音頭を取るのだ。
 ついでに鳥も現れてハミングし始めている)

……普通に居るな。仕掛けが悪いんじゃないか?

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