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美少女道場
(どれだけ沢が深かろうと、対岸では距離が近すぎる。いまこの美少女は「飛べる」のだから。
低く、水面を駆けるように飛べば対岸の瀬に身を隠そうとした水妖と視線が合う。)
(鳥の狩りを見ているような光景だろう。
違うのは、一気に沈み、水中から引きずり上げられた所を空中でついばまれている所か。
拳が、脚が、見た目の繊細さに似合わぬ重い一撃を乱れ撃つ。
それは速さだけの技ではない。
過去の動作、結果を呼び出すという体術の枠を超え魔法の域に突入した技術である。
お陰で深く観察出来ればできるほど、打撃音の回数が、跳ね飛ぶ犠牲者の体の方向が矛盾する)
低く、水面を駆けるように飛べば対岸の瀬に身を隠そうとした水妖と視線が合う。)
(鳥の狩りを見ているような光景だろう。
違うのは、一気に沈み、水中から引きずり上げられた所を空中でついばまれている所か。
拳が、脚が、見た目の繊細さに似合わぬ重い一撃を乱れ撃つ。
それは速さだけの技ではない。
過去の動作、結果を呼び出すという体術の枠を超え魔法の域に突入した技術である。
お陰で深く観察出来ればできるほど、打撃音の回数が、跳ね飛ぶ犠牲者の体の方向が矛盾する)
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麓の村で一泊した後に早朝から山に入る事となった。
途中までは村の者が拓いた山道を辿り、その次は細く草が倒れたけもの道を辿る。
山中は緑色濃く、日差しの眩しさに反して空気はしっとりとして冷えていた。
人里とは違う草の匂い、否、堆積した腐葉土の匂いか。踏み締めるごとに強く香っては人の生存圏から離れた事を主張する。
知らぬものからすれば、無軌道にけもの道を辿っている様に見えるかもしれない。
その実、等間隔に植えられた食用になる樹木、辻の積み石等、自然の中に溶け込む様に残された人工物を頼りに進んでいるのだ。
導こうとしているのは人の世の浅瀬に作られた貯蔵庫。昨晩泊まった村の隠し沢だ。