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美少女道場

【RP】5月某日、豊穣山中にて。

5月某日、豊穣。
麓の村で一泊した後に早朝から山に入る事となった。
途中までは村の者が拓いた山道を辿り、その次は細く草が倒れたけもの道を辿る。
山中は緑色濃く、日差しの眩しさに反して空気はしっとりとして冷えていた。
人里とは違う草の匂い、否、堆積した腐葉土の匂いか。踏み締めるごとに強く香っては人の生存圏から離れた事を主張する。

知らぬものからすれば、無軌道にけもの道を辿っている様に見えるかもしれない。
その実、等間隔に植えられた食用になる樹木、辻の積み石等、自然の中に溶け込む様に残された人工物を頼りに進んでいるのだ。
導こうとしているのは人の世の浅瀬に作られた貯蔵庫。昨晩泊まった村の隠し沢だ。

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趣向で釣れる魚がえらべるものか。
……お前の細腕で釣り上げられるようなのしか居ないと思っていたのだが。

(ここは人の手が入っているとはいえ半分以上は野生の地である。
 先ほどまで釣っていた魚は村人が放し、繁殖させた種だろう。この沢の中で最も多く生息している魚に違いない。
 しかし、元からいる魚も存在するに違いないのだ。これもその一つだろう。握る手に力が入る。

 頭の中でここまで引きの強い魚の種類を幾つか上げながら、角度を変えては引っ張り、そして流すを繰り返す。無理に引っ張れば竿か糸が負けてしまう事は予想できた。)

長期戦になるな、これは。

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