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美少女道場
(背負っていた荷物を置いて整理する。
さほどの道具は持ってきていない。釣りに使うのはバケツと竿と網位だ。
餌は網で水底に木の葉が溜まった部分を探れば虫がいくらでも取れる。
後は釣竿を広げて、針が隠れるように虫を刺してやればよい。
あとは沢に投げ入れれば何に拘らなくても釣れる。ここはそう言う場所である。
しかし、それよりも気になるのは美少年の事である。
餌を採取する傍ら嗅いだ匂いは煙草のそれとは異なっていたが……。
バケツの底の川虫ばかりが空回りに元気よく跳ねまわっている)
さほどの道具は持ってきていない。釣りに使うのはバケツと竿と網位だ。
餌は網で水底に木の葉が溜まった部分を探れば虫がいくらでも取れる。
後は釣竿を広げて、針が隠れるように虫を刺してやればよい。
あとは沢に投げ入れれば何に拘らなくても釣れる。ここはそう言う場所である。
しかし、それよりも気になるのは美少年の事である。
餌を採取する傍ら嗅いだ匂いは煙草のそれとは異なっていたが……。
バケツの底の川虫ばかりが空回りに元気よく跳ねまわっている)
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麓の村で一泊した後に早朝から山に入る事となった。
途中までは村の者が拓いた山道を辿り、その次は細く草が倒れたけもの道を辿る。
山中は緑色濃く、日差しの眩しさに反して空気はしっとりとして冷えていた。
人里とは違う草の匂い、否、堆積した腐葉土の匂いか。踏み締めるごとに強く香っては人の生存圏から離れた事を主張する。
知らぬものからすれば、無軌道にけもの道を辿っている様に見えるかもしれない。
その実、等間隔に植えられた食用になる樹木、辻の積み石等、自然の中に溶け込む様に残された人工物を頼りに進んでいるのだ。
導こうとしているのは人の世の浅瀬に作られた貯蔵庫。昨晩泊まった村の隠し沢だ。