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美少女道場

【RP】5月某日、豊穣山中にて。

5月某日、豊穣。
麓の村で一泊した後に早朝から山に入る事となった。
途中までは村の者が拓いた山道を辿り、その次は細く草が倒れたけもの道を辿る。
山中は緑色濃く、日差しの眩しさに反して空気はしっとりとして冷えていた。
人里とは違う草の匂い、否、堆積した腐葉土の匂いか。踏み締めるごとに強く香っては人の生存圏から離れた事を主張する。

知らぬものからすれば、無軌道にけもの道を辿っている様に見えるかもしれない。
その実、等間隔に植えられた食用になる樹木、辻の積み石等、自然の中に溶け込む様に残された人工物を頼りに進んでいるのだ。
導こうとしているのは人の世の浅瀬に作られた貯蔵庫。昨晩泊まった村の隠し沢だ。

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(どれほど態度がふてぶてしかろうと、どれほど口先で悪し様に罵ろうと、こちらの腕を取るのならかわいいものである。
もとより、善意であろうとただで受け取ろうとはしない人間であると分かっている。これは腕を取るために必要な儀式なのだと思えば怒りもわかない。

掴んだ手をぐいと引き寄せ、半ば抱き上げるようにして足場の悪い岩場を渡る。
娘らしい細腕の癖に貴方の体重など無いかのように軽々と振舞う)

……。

(川べりに貴方を腰かけさせ。何か言おうとして、止めた。
自然と相手の求めそうな物や言葉を探し、先回りしようとしている事に気づいたので)

……本当に顔色が悪いが大丈夫か?

(月並みな言葉が口から滑り出た。これが本当に自分のしたいことなのかは分からなかったが、少なくとも確認すべきことだった)

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