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遥か夏のカプリチオ
真夏に涼し気なタオルケットを被って寝るのが好きな仙狸厄狩 汰磨羈だ。
今後とも宜しく頼むよ。
小粋なあだ名か。こういうのは分かり易さも大事だから、シャルが挙げた「ミナさん」案が一番じゃないかなと思う。
「さん」と「なな」の頭を取って、「さなちゃん」も可愛らしくて良さそうではあるが、うむ。
今後とも宜しく頼むよ。
小粋なあだ名か。こういうのは分かり易さも大事だから、シャルが挙げた「ミナさん」案が一番じゃないかなと思う。
「さん」と「なな」の頭を取って、「さなちゃん」も可愛らしくて良さそうではあるが、うむ。
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「オシャレでこんな腕にする人はいないんじゃないかな」
「いや、わからないよ。フラ○ケン・ふ○んを読んでみたまえ」
屋敷の一室である。造りこそ立派であるが調度品のたぐいは目につくほども置かれていない、些か侘しい部屋。その中において、ひとつだけ目に見えて高級と解る一人掛けのソファがあった。
そのソファに当然の権利のように座り──屋敷の主であるから、実際そうなのだが──フニクリ=フニクラ(ふざけた名前だ)は、どこにでもあるような木の椅子(ガタついている)に腰掛けた、黒く異形の手足を持つ少女に語りかけていた。
「意味が」
「意味なんて無いよ。この世にある大凡の事柄にはね」
「煙に巻こうとしてない?」
「それが事実だとしても、そこにも意味なんてものはないんだよ」
「無敵モード入らないで」
この二人がなぜこの部屋で向かい合い、語り合っているのか。それを記すためには、与えられた余白はあまりにも狭い。理解して欲しいのは、結局この会話に意味なんて無いということだけである。(読み飛ばしてもらっても仔細ないということだ)
「まぁせっかくこうして出会ったんだ。意味はなくとも意義のある会話をしようか」
「そちらが脱線させたように思うけど」
「都合の悪いことは忘れたほうが良い。長い人生を退屈しないコツさ」
「深いような、そうでもないような」
「不快じゃなければ良いのさ」
「上手いことは言えてないかな」
言葉は流れる。雨上がりの小川のように。(いずれ干上がる)
「じゃあ原点に戻ってみよう。その腕と足正直めっちゃかっこいいよね」
「そうかな」
「そうだよ。どこで買ったの?ファ○マ?」
「コンビニじゃ売ってない……世界観大事にして」
「些細なことだよ。この世はどうせ泡沫の夢だからね。コンビニ舐めちゃダメだよ。ラスボスのパーツだって売ってるから。あ、もしかしてキミもラスボスなのかな?ちょっと倒していい?」
「良いと言うと思ったの?」
「頷くとは思ってなかった。頷くと信じたかっただけだよ」
「かっこよくはないかな」
「私もそう思う」
そろそろ日が暮れる。結局、最期までこの会話に意味が生まれることなどなくて。しかし、それでも、それこそがこの屋敷の日常なのである。
というわけで今回の入団者。
『イギョウノショウジョ』実験体37号
さんでーす。
へー、これが名前なんだ。私も大概変な名前だけどこれもう名前っていうか番号だよね。ちょっと呼ぶ時気を使うんだけど。なに、数字に由来した小粋なあだ名でもつければいいの?各自考えておくように。
ではこんなとこで。
以後よろしく。