ギルドスレッド
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遥か夏のカプリチオ
オーナーの扱い酷過ぎだろ……あぁ、捕まったなら仕方ないか
("ここからやり直す、第二の人生"と書かれた怪しい本を差し入れ)
俺の名はユー。混沌では絶滅危惧種っぽいサイボーグだ、よろしく。
("ここからやり直す、第二の人生"と書かれた怪しい本を差し入れ)
俺の名はユー。混沌では絶滅危惧種っぽいサイボーグだ、よろしく。
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海の青と空の青、その狭間でたゆたう一人の白イルカ。
ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナートはそんなことをぼんやりと考えていた。
「あの場所でも、それなりに好きにさせていただいていたつもりでしたけれど。なるほど、ほんとうの自由というものはまた違うものなのですわね」
頬を撫でる風と体を揺する波
ゆらりゆらりと。まるで夢を見ている心地
あるいは、半分くらい寝ていたのかもしれない。
数ヶ月前のことだ。
「巫山戯るなよ。小娘ごときが、誰に向かって口を開いていると思っている」
不機嫌を示すように全身の発光器官をぎらぎらと趣味の悪い虹色に輝かせながら海月のような頭をした海種の男は存外荒くはない口調でそう告げた。
もっとも、声色から不快感を隠すつもりはないようだったが。
「えぇ、存じておりますわ。ネオ・フロンティア大銀行、東南諸島支店の頭取。フレッケリ・キロネクスさん。あぁ、貴族位も持ってらっしゃったのだったかしら。おいくらでしたの?」
己の言葉に怯むどころか煽るような質問を変えるその少女───実際のところはれっきとした一人のレディであるが、その見目は少女と言って差し支えない───にクラゲの男は更に苛立たしげに発光器官を明滅させる。
「それで」
少女の紡ぐ、その穏やかな声色は似つかわしくなかった。
「私の質問には答えていただけないのかしら、ミスタ・フレッケリ?」
このクラゲの男に投げかけるのに。
「ねぇ、あなたの銀行に預けられたゴールド、数千万じゃ下らないでしょう?どこに言ってしまったのかしら。金庫の中には、その百分の一も入っていないのですよ?」
この銀行頭取の汚職を糾弾する場面に。
その後激昂したクラゲの男は、控えさせていた護衛に取り押さえられ、そのまま裁判にかけられることになった。
命を取られるようなことまではないだろうが、貴族位は没収。
二度と返り咲くことはできないだろう。
あの後顔を合わせたのはその裁判のときに1回だけだが世界中の怨嗟を煮詰めたような罵詈雑言を浴びせかけてくれた。
それで傷ついて、糾弾したことを後悔するようなことはない。
もしそうなら、そもそもこのような生き方はしていないから。
それでも、きっと息苦しくはなっていたのだ。
友人だと思っていた者たちも段々と自分から距離を置くようになっていた。
家族も何時からか自分を疎ましく思っていたのかもしれない。
あるいは、それも全部自分が勝手に負い目を感じていただけなのか。
それでも、段々と寄る辺をなくしていたのは確かなのだ。
だから
きっといいきっかけだったのだ。
『特異運命座標』
イレギュラー
それは世界の破滅を防ぐ運命を背負ったものらしい。
素晴らしい
いいじゃないか
そういうのを待っていたんだ
しかも自分がそれだという
僥倖だ、きっとこれが運命というものなのだ。
だって、自分の信じた”正しいこと”を、誰に憚ることもなく実行できるのだ。
身支度もそこそこに家を飛び出したのは気が急きすぎていたかもしてない。
でも後悔はしていない。
この心には、いつも正義を抱えているのだから
というわけで今回の入団者
『特異運命座標』ユゥリアリア=アミザラッド=メリルナート
さんです。
貴族ですって。モノホンですよモノホン。
私も権力には屈する派閥に属しているんでね、こうね、こびていきたいと思いますが。
とりあえずこの金色のお菓子を……
え?不正とか許せないタイプ?
なるほど(両手が後ろに回る)
さてこの辺で
では以後よろしく