ギルドスレッド
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遥か夏のカプリチオ
一般人は一般人扱いされるとあまり良い気にならない方が多いのではないでしょうかー。
いえ、ここに来るような方はそうではないと確信しておりますがー。
改めましてわたくし、ユゥリアリアと申しますー。
しがない戦場の歌姫ですわー。どうかお見知りおきをー。
いえ、ここに来るような方はそうではないと確信しておりますがー。
改めましてわたくし、ユゥリアリアと申しますー。
しがない戦場の歌姫ですわー。どうかお見知りおきをー。
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小洒落たカフェ。
パラソルつきテーブル。
なめらかな手触りの木製の椅子。
日差しは強すぎず、肌を撫でる程度の風が心地よい。
ここから伺える屋内では、カウンターの向こうでこのカフェの店長がグラスを磨いていた。
混み合っていてもおかしくない時間帯なのだが、不思議と客は二人だけ。
ブランとリディア。二人の少女が同じテーブルに相席していた。
「ギルドーナーに言われて来たが……」
ブランはそう言いながら、コーヒーカップを手に取る。そのときに少しかちゃりと音がして、どことなく恥ずかしい気分になりながら。
「ここで、一体何をすれば良いのだ?」
「さぁ……ここに向かえ、としか言われなかったものね」
困ったように微笑みながら、リディアは紅茶のカップにミルクを注ぐ。ティースプーンでかき混ぜて。何気ない動作だが、カップにぶつけて音など立てず、その所作は確かな生まれ育ちの良さを感じさせた。
「あぁ、でも美味しいわね、このお茶。これが歓迎の証、みたいな意味ってことかしらね?」
「そうだな……そうかもしれんな」
ブランの返事は同意だが、内心は不本意だ。良いコーヒーなのかもしれないが、ブランの舌にブラックコーヒーは苦すぎる。
リディアにミルクを分けてもらおうか。しかしそれも気恥ずかしいと、逡巡する。
と。
「あれ?君たち二人だけ?なら一緒にお茶しない?」
テラス席の悪いところだろうか。通りすがりの通行人、髪を染め、軽薄な衣装で金属のアクセサリをジャラジャラとぶら下げた、端的に言ってチャラい男が、こちらに目をつけたようだ。
「いらん、間に合っておる」
「えー、そんな事言わずにさぁ?」
「これから約束があるのよ」
「それってこの出会いよりも大事?」
良い気分でお茶を飲んでいたところを邪魔されたからか、ブランは露骨に邪険な態度を取り、リディアも眉間にシワを寄せる。
しかし、このナンパ男はそれで引き下がるようなタマではないようだった。
「ね、いいじゃん?いい気分にさせてあげるからさぁ」
「ちょっと、いい加減にしないと」
「キエェーーーーーッイッッ!!!!!」
「げぼぁ!?」
「なっ」
「えっ!?」
いい加減にしつこい男にリディアが怒りを顕にしようとして。
瞬間、その男が吹き飛んだ。
否。
「間男死すべし、慈悲はない……ドーモ、店長です。お客様に害為す虫を退治しに参りました」
「お、おう」
それしか言えないブラン。
何を言えというのだろう。瞬きの合間に店内からここまで飛んできて、ナンパ男を一撃で吹き飛ばした漢に。
「ふ、やるじゃないか”百合愛で”ガイモンド。技は衰えてないと見える」
「いや、誰」
「やめてくれ、許せなかっただけさ。百合に挟まる男が、な」
「何言ってるの?」
いつの間にか。本当にいつの間にか二人が座っていたテーブルの隣に、トレンチコーをを羽織り、帽子を目深にかぶった男が座り、店長を言葉をかわし始めた。
完全に空気が変わっている。こんなお洒落なカフェではなく、小汚い酒場とかでやるべき会話だった。
「なにこれ……」
「さぁ……」
置いてけぼりなのは少女二人である。なんとなく、お互いに顔を見合わせ。
「なんかもう、面倒くさいし。お店変えて飲み直さない?」
「そうだな。そうしよう」
なんとなく、何も考えないのが正解だと思い。その場をあとにするのだった。
というわけで今回の入団者
『勇往邁進』リディア・T・レオンハート
さんと、
『』ブラン・R・ブラックロック
さんでーす。
タイトルとかに深い意味はないです。
おしゃれなカフェって行きにくいですよね。
テラス席とかね、あんなん選ばれた人しか座れないよ。
おしゃれなカフェに選ばれた人が住む世界ですよ、恐ろしいところです。
まぁそもそも出歩くこと自体しないんですがね私。
お二人が飲んでるやつは完全に偏見です。ロイヤルミルクティって名前からしてロイヤルなのに別にロイヤルな人が飲んでるとかじゃないんですね。企業が生み出した造語なんでむしろ庶民の味だとか。
そんな感じ。
では以後よろしく。