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ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

どこか。

すやすや、すやすや。

サヨナキドリのどこかの部屋で、ソレが静かに眠りについている。
見てくれは、だいぶマシだ。傍らには報告書が数通無造作に置かれている。

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…世界のバグ…か…。(それは紡いだ糸に生じてしまった解れ…のようなものだろうか…と考えて。)

…それは……?
(うとうと、かくん。うとうと、かくん。)
(真砂はよしよし、と寝かしつけながら友人の周りに結界を張る。式が箱を開けると中には淡く光る緑色の羽根が大量に詰め込まれていた)『羽根、でございます。そこのすっとこどっこいの、“この世界へ召喚される前に抜け落ちた羽根”にございます』
ああ、あのときの……。
(それだけ確認し呟くと、ゆるゆると眠りの世へ旅立って行った。)
……この世界に召喚される前の……羽根…。(斉賀が眠ってしまったので声のトーンを落として、反芻するように繰り返す。)
(真砂も同じく声のトーンを落として)『ええ。知っての通り、あの畜生の翼は魔力を取り込んで貯めておく機能があったのですが、混沌肯定の法則によってその機能に大部分に封印をくらいました。……ですが、抜け落ちて単体の電池となった羽根は別です。気に入った者に渡してやる事が多いのですが、この様な緊急時にも消費できるので取っておいたんですよ。(友人から離れて羽根を手に取ると握り潰す動作をする)』

(ぱきん、と少し硬質な音がして羽根が砕け散り、羽根を中心に部屋中に“ソレ”が持つ力と同質の……例えるならば“堕落しそうな味の”魔力が濃く広がる。容易く思考を侵しかねないそれは、結界の周囲だけは侵入できずに避ける様に広がっていた)
なる…ほど…。(これだけの濃い魔力だ…俺のような唯の人が受けてしまうと、何分と…いや数秒持たんだろう…と部屋へと広がっていくソレを見る。)
(真砂がバキバキと無造作に羽根を砕きながら) ヨタカ。あなたは眷属ですから普通の人間よりはずっと耐性がありますが、呑まれてしまわないように気をつけなさい。

(気を抜いてしまえば、酷く喉が乾くような、逆に溺れる様な心地を感じるかもしれない)
っ……分かった。(頭を横に振って、しっかりと気を保とうと深呼吸をする。幾分かはマシだろうか。)
(しっかり気を保っている分には、渇きや閉塞感も薄れるようだ)

……。

(そのうち、瘴気に近くなった魔力濃度の中でソレがもぞりと動いてーー)

(どぷん)

(ソレが自身の影の中に沈んだ。やがて、影が周囲の魔力を食い始める)

(ーーハ、は)

(キャハーー)

(((((キャハッハハはははハッハハはははははははハハ……)))))



(だんだんと、幼子の笑い声が高く大きく響き、部屋中を覆い尽くした。それに比例する様に急速に多量の魔力が喪われていく。音は、結界の中にいる京司には届かない様になっている)
っぐ…ぅ!この声は…前に…。(以前見た異形の商人を思い出す。渇きや閉塞感は薄くなれど、失っていく魔力にジワジワと足元が崩落していくような力の喪失感に、冷やりとした汗が背中を伝っていくのが分り。)
(真砂が追加で羽根を砕き潰すが、魔力が濃くなるより速く食い潰されていきーー)

((((キャはははははっハハハハハは……))))

(やがて、コエがピタリと止む。ぶるぶると影の塊が身震いすると、ばしゃりとソレを吐き出した)

……。……お腹減った。

(先ほどより同じ、だが明瞭な言葉を呟く。それを聞くと真砂はやれやれとため息をついて羽根を小箱へしまい使いに元の場所へ返してくる様に命じた)

『まだ食い意地を張りやがりますか、あなたは。もう最低限動ける様には回復したでしょう』

まぁね。
ぐ……戻った、のか……。(先程と同じ言葉を、しかし明瞭になった声で喋る商人を視認した途端、緊張感や不安など色んなものが薄らいだのと、魔力切れによりぐらりと意識が暗転する。ガシャンと音を立ててその場へと倒れ込んだ。)
(深く深く)

(暗く暗く)

(落ちるように暗闇へと沈みゆく小鳥が見た夢)

(それは……喜びと、怒りと、哀しみと、楽しみ…全てを包んだような、とある誰かの人生の様であった。)
『ヨタカ……!』

(真砂が駆け寄って抱き起こそうとするが、それより早く主人の意が伝わり手を止める)

『……かしこまりました』

(真砂が京司と共に一度消える。彼を介抱する為に空間を区切ったのだ)

……ヨタカ。

(ソレがしゃがみこむと、魔力を分けてやる。先程部屋に充満していた魔力と同質のものだ)
……ヨタカ。(起こすように、何度も名を呼ぶ)
(沈む沈む)

(沈む……沈んだその先に待っていたのは)

(一筋の光と引き上げられていく感覚)

(呼ばれた名は、そう、自分のモノだ)

っ…………!!!(そう認識したと同時に、意識が浮上し覚醒する)
っは………はぁっ……。ゲホッ…!!しょう、にん…!(喉にナニかが詰まったような感覚にむせ込みながらいつもと変わらず声を掛けてくる商人を見る。)
なぁに?(へらりとソレが笑って、手を伸ばして所有物(ことり)の髪を撫でようと)
しょう、にんはもう…大丈夫、なのか……?(少し息を弾ませながら、普段と同じ調子の商人に問い。)
ま、腹が減ってはいるけれど。いつまでも動かないわけにはいかないからね。

(けらり、けらりと笑うソレ。あなたが感じていた飢餓も、哀の感情も、ふっつりと途絶えている)
ん、んっ……そう、なのか…。(もう前を向ける…この人はすごい人だと、落ち着いてきた息を整えて。)
……慣れてるしね。(へらり。どことなくソレの笑顔と感情の途切れ方に違和感を覚えるなら、意図的な情報の遮断に気がつくかもしれない)
(違う、このヒトは意識をしない様、逸らしているのだ。何度も経験してきた事に。友人が命を散らす事に。表面で繕っても、心までは修復などしきれないのだ。そう考えた途端、今度は大粒の涙が溢れて止まらなくなった。)
(キョトンとした表情を浮かべて)……どうしたんだぃ?泣かなくていいんだよ?もう、キミが空腹や哀しみを感じる事は無かろう?(そっと涙を拭おうと手を伸ばし)
ちが、う……違う……これは、俺の涙じゃない…。(拭われながらゆるゆると首を横に振って)
(はて。目の前にいる所有物(ことり)への感情の伝播は、遮断したつもりなのだが) キミの涙ではないとは、また不思議な事を言うねぇ。
ん、分からない……でも、違う気がする……それは勘でしかない、けど…。(止まらない涙は頬を次々と濡らしていく。)
……何か、して欲しい事はある?(首を傾げ)
ん…暫くで…良いから…傍にいて欲しい……。(ぐすぐすと啜りあげて、止まらない。)
いいよ、“それをキミが望むなら”。(そのまま涙を拭ってやりながら)
(緩く頭を撫でてやりながら)トモダチを、眷属にはしないかなァ。
ん……駄目、なのか…。(なでられると少し落ち着いてきたようだが、少ししょげてる)
それに、キミは我(アタシ)の可愛い所有物(ことり)だし?
そうだよぉ?だから憂いなく愛されるといい。キミがどうなろうと、どんなカタチであろうと愛してあげる。(くすくす)
ん、ん…。(ならも少し撫でてと言うように頭を押し付けようと)
(とろりとした笑みを浮かべて撫でてやる) 愛してるよぉ、可愛い小鳥(ヨタカ)。抱きしめようか?キスはいるかい?(くすくすくす……)
んん…暫くこうして…て…欲しい…。(商人の肩に頭を預ける。)
いいとも、キミのお気に召すままに。(毒の様に甘い声。その髪に、戯れの様に口付けを一つ送る)
(ひと時…数秒だったのかはたまた数分だったのか…時間は分からないが、頭を預けたまま目を瞑る。あぁ、俺が心の奥に求めていたのはコレだったのかもしれない…ドロリと甘い商人の声が、ヨタカの心へと混じって溶けてゆく。)
(男とも女ともつかぬ、心地のよい声) キミは我(アタシ)の眷属。我(アタシ)の所有物。我(アタシ)の小鳥。だから、キミは自分のことで悩まなくていいんだよ。だって、「キミは我(アタシ)の」だもの。
ん、ん……。(おれはこのヒトの所有物。悪くない響きだと、少し微睡む頭で頷いた。)
いいコ。疲れたろう、ゆっくり休むといい。我(アタシ)のモノである以上、もう眠りはキミを脅かすモノではないのだから。
ん……。(コクリ、コクリとまた頷いて。頭を預けたまま微睡みに思考を投げ出した。)
(ゆっくり負担をかけない様に抱え上げて、ベッドに寝かせてやる)
(安堵した表情で眠っている。安定した寝息だけが聞こえる。)
(その横に潜り込むと、小さく小さく寝息を立て始めた)

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