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ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

どこか。

すやすや、すやすや。

サヨナキドリのどこかの部屋で、ソレが静かに眠りについている。
見てくれは、だいぶマシだ。傍らには報告書が数通無造作に置かれている。

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『構いませんが……あの大きな戦いの後では、お疲れでしょう?貴方はあまり身体が強くないのですし、せめて横になられた方が良いのでは?』(涙を流したまま、純粋に心配そうに友人を見て)
(ゆっくり隣に座り)…駄目なんだ、一人が。
しにたくなってしまう。(眉を寄せ、呟く。怖いと)
『……左様にございますか』(白狐の男は涙を流しながら少し安心したような、奇妙な表情を浮かべた)
泣いてる真砂を、更に泣かしたくはない。(その頭を撫でやうと)
『……此れは、私(ワタクシ)の感情ではございませんので』(頭を撫でられると白狐の青年は涙を流したまま少し嬉しそうに笑うだろう)
真砂の感情じゃなくても。商人の感情でも。
僕は隣にいたいし、見守りたい。
魔力が要るっていうなら、持っていても良い。
(さらさら、髪を透くみたいに撫でる。あんまり慣れてない)
『左様に、ございますか』(そのまま黙って白狐の青年は撫でられ続ける。白髪はよく手入れされていているように、指通りよく流れ)
(ゆっくりゆっくりと撫でて)
……全然起きないけれど、魔力切れ?
(立ち上がると試しに手を握って魔力を流し込もうと)
『あっ、待っ、』

(直後)

(ぞろり……)

(そんな、悍ましい気配と共に魔力を半分以上ごっそりと奪い取っていく)
(ガクンッ ドスッ)

(急に魔力を奪われて対応できなかったのだらう
倒れた上にベッドの縁にぶつけた音をさせた)
『あああああ……お、お怪我はありませんか……?』(白狐の青年は涙を流したまま狼狽えて彼を助け起こそうと)
………いたい……………
(一旦、眼鏡を外しながら真砂に身体を預けた。
額と鼻を強くやったらしく、ポタポタと鼻血を垂らしたその表情は、5割増しで不機嫌そうだ)
『迂闊に魔力を渡そうとすると喰われます……それでも、辛うじて抑えているようですが』(彼へ治癒魔術を施しながら)
商人は…大丈夫なのか…!?(息や髪の毛を乱し、戦場であった冥府の川から戻りそのまま飛んで駆け付けた。)
『……ああ、貴方も来ましたか』(ため息をついて)

(ソレは騒ぎにも起きる様子はなく眠り続けている)
っ…冥府の川で…商人の状態を感じて…不安になって、それで…!(いても立っても居られなくて慌てて来たようだ)

大丈夫…なのか…眠っている…だけ…?
(ぴくりとも動かないソレは生きてるのか怪しい静けさを保っている)

(ソレを真砂は見やりながら)

『大丈夫、とは言い難いですが。最初に予想より多くの補給が出来ましたから、その辺の人間を無差別に喰い散らかすことはそうそうないでしょう。分体が魔力を集めに行っていますしね。封印しやすいのは非常に助かります』
(治療を受けつつヨタカを見上げ)
ただまあ、僕みたいになりたくなければ触るな。
魔力を喰われてこの様だからな
状況としては…良くないが…とりあえず…大丈夫…なのだな…。(自分に言い聞かせるように反芻して)

んん…飢餓感から…意識を失いながらも…魔力を喰らっているのか…。斉賀は…また…派手に……大丈夫か…?(まるで屍人のような商人の頬へ触れようとした矢先に斉賀に言われ、ハッとし、手を引っ込める)
(飢餓感は依然として残るものの、少し哀の感情が薄らいだ。何か良い夢でも見てるのかもしれない)
『これは……(真砂から涙が流れるのが止まった。何かを確認する様に目を閉じーーすぐに眉間に皺を寄せて唸る)ーーいえ、いいとしましょう。ええ。無節操に増えるよりは遥かに』(自分に言い聞かせる様に呟いて目を開けた)
大丈夫と言いたいが、僕が魔力切れを起こしてしまった。
真砂、僕もここで横になって良いか?
……真砂?泣き止んだの?
『え、ええ……外の分体に、多少の慰めがあったようです。それで感情が弱まったのでしょう』(一時的かもしれませんが、と言いながら真砂が黒髪の青年を助け起こして空きベッドへ運ぼうと)
『どこかで多めに力を捕まえて来た様ですので、今なら触れても一気に喰われたりはしないかと』(真砂がちらりとソレの右手に視線を向けながら)
『ああ、冷えてしまってますね……(真砂は黒髪の青年を寝かせると布団をかけてやり)』
まりょくきれって、こんなにつらいのか……(死にそうな声)(実は魔力切れが生まれて初めて)
…それでも…少し…収まったのなら…良かった…。(少しホッとすると、張っていた気が抜けそうになるが、足にしっかり力を籠める。俺は此処で倒れる訳にはいかないだろう?と言い聞かせる。)(引っ込めようとした手で、白い商人の頬にソロリと触れてみようと伸ばし。)

顔色が悪い…。(ヒールが必要なら施すが…と斉賀を心配して)
『あなたは量が多いですからね……(真砂は労わるように黒髪の青年へ声をかけて、同僚にも視線を送る)あまり長く触れない方がいいですよ。喰っていない訳では無いので』

(眷属が触れるならすぐに倒れるほどでは無いが確かに魔力を喰われる感覚に加えて、じわりじわりとだが飢餓感と哀の感情がより強く伝わってくる)
あたま、なでて。眠るまでで良い。手を握るだけでもいい。
(よほど弱ったのか、弱々しい声で甘えてみせた。
珍しいことであった)
『(真砂はおや、珍しい。と内心瞠目しつつ要望通り黒髪の青年の頭を撫でて) ええ、もちろんいいですよ』
っ…。(倒れはしなかったが、少しだけ膝を着く。飢餓感と哀の感情は強く、しっかりと心の中へ土足のまま上がり込んでくる感覚に身体中から冷や汗が滲む。)

この状態は…俺たちでは…どうする事も出来ないのか…?
『(真砂は友人の頭をゆっくり撫でながら、憐れむようにヨタカを見て) 力の回復はともかく、呆れるほど傍迷惑な事に、感情の伝播は漏れ出ているものなので一朝一夕にはなかなか……。今さっき、これほど速く和らいだのも珍しいくらいです。ああ、分体が戻ってくれば少しの間は起きているのでその時に何か手を講じることも出来るかもしれませんが。……ただの人間を、トモダチに分類すればこうなる事もわかっていたでしょうに。……貴方も災難でしたね』
でも、真砂。仕方ないと、思う。(気持ち良さうに友人の手を享受しながら薄らと目を開ける)
僕はただの人間で、世界が怖くて、自分への嫌悪感と無力感しか無いけれど。
真砂とヨタカに友人と言われて嬉しかった。
さみしく無いなあ、と思った。
こうして君達といれば死にたい欲求が薄まるくらいには。
(眼鏡のない細釣り目を下げて笑い)
商人も、そうだと思う。さみしく、ないから……彼女のトモダチだったんだと思う…………。
……いや、俺は…誰かを求めていた…そこに現れて俺を認めてくれたのが商人だった…だから、これは俺から求めた結果だ……。(この人の小鳥でいるのは何故か不思議と落ち着くんだ…と付け足して)

寂しさを満たしてくれた友が…この世界に居なくなるのはどれだけ……辛く、寂しい事だろうか…。(ジワジワと魔力を吸われているだろうが、それでも頬を撫でるのを止めなかった。目を伏せ、自信の大切な仲間や友達が、急に居なくなれば…?俺はどうなってしまうだろうかと考え……肩を震わせた。)
『……そう、ですね。我が主は……さみしがりですから』(はぁ、と。呆れではなく、憐憫の溜息をひとつ)

(ぴくり、とソレの指先が動き、ゆっくりとその双眸を開く。紫水晶の瞳は酷く疲れたような、諦観したような霞をたたえていた)
人間は誰だって一人で死ぬからさみしいけれど(ぱち、ぱち。ゆっくり瞬きした)
一粒でも幸せな記憶があれば抱えて死ねるさ

………あ。おきた。(うっかり紫の瞳を観た)
(魂の底まで見透かしてしまうようなーーその上それを嗤うようなーーああ、否。それを感慨なく鑑賞している様な、そんな目)
何とでも思ってくれていいさ…。それでも…この手を取ったのは…俺だから…。
死んでも…誰かが…覚えていてくれたなら…それもまた…寂しさが拭えるだろうか…。

商人…!!大丈夫…か…!?(撫でていた手を退け。顔を、瞳を覗いて。)
『できれば、もしもまた死ぬ時は、誰かに看取られて死にたいものですね。(友人の言葉に遠い過去を思い出しながら眉を顰め) 死んだら、寂しいもクソもございませんが。……チッ、分体が戻ってきやがりましたね。おはようございます、このすっとこどっこい』

……おなかすいた。(唸る様に呟きながら身を起こして。不自然に落ちた影がざわざわと騒ぎ出す)
真砂は1度は死んでるだっけ、羨ましい。
………商人って何を食べる生き物なんだい?
『(真砂は心底嫌悪した声色で)……死んで自慢出来ることなど何一つありませんでしたよ。彼処は、寒い。正直、また死ぬ事すらごめんだ』

……力。(真砂に視線を遣り手を招くが、『これは私(わたくし)の“感情”だ。貴様にやらん』と噛み付くように言われたのでパタリと手の力を抜く)
…死ぬ経験を二度すると言うのは…嫌だな…。(一度きりにしたいものだ…と呟き)

まだ…食べ足りない…のか…?
(ぼんやりと友人を見上げ)……よしよし………(頭を撫で返そうと)

結構な大食いだな、商人。
『……大丈夫ですよ。(はっとした様子で笑顔を繕うと友人に笑みを向けて) 元々の容量が途方も無いですからね。滅多に無いとはいえ、その分一度こういう事が起きればまともに動き出すまで時間がかかるんですよ……』

……はね。

『……ああ、そうですね。自分で取って来やがれと言いたいところでございますが、致し方無いので持って来させます』
すまないね、死にたがりで。(耳の付け根を掻いてやろうと)

確かに……魔力の塊みたいなもんか、商人は……。
あの冥府の川の…向こうは…あまり、居心地の良さそうな場所ではなさそうだった…よ…。(死ぬのではなく、星になりたいと心に未だ秘めながら。)

魔法そのもの…だったか…商人は…。
……。(また、ソレが目を閉じる)

(真砂は耳の付け根をかかれてくすぐったそうに、しかし満更でも無い顔をしながら別の部屋に向かって式を一体飛ばす)
『さて。私(わたくし)にこのド外道の正体はわかりかねます。自身ですら明確にはわからなかった事ですから、そのようであろう、という推測しか立ちませんゆえ。……世界のバグ、と度々口にはしていましたが』
(珍しいくらい、ハッキリと微笑んだ顔をした。判ってる時の顔)
(ゆっくり手を降ろして微睡み始める。眠気が来たらしい)
(真砂は憮然と、なんでございましょう、その顔は。と憮然と呟きながら友人の頭を撫でている)

(暫しの間があって。式が箱を抱えて戻ってきた。蔓で編まれた質素な箱。あるいは籠)

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