む
か,.*`?.え
^.,]|-;"'<_,*+にき
.　　　　　　　
た
,!-~`_'.;*`"\-;/.:`^"""よ。

あなたの耳に囁き声。気がつけばほら、三日月の様に笑う"ソレ"の皿の上。

やば……、なんつーメルヒェン極まりないお手紙！
いい歳してこんなおまじない信じるのなんて賢者様くらいだぞっ★
とはいえ、いつの間にか現れた手紙だし、試してみるか。

（自分の城、二次元ぱれぇどのパイプ椅子。馴染み深いそれに座って目を閉じるとーー）

やだ……俺の王子様……。
（囁きに不覚にもキュンときた）
ありゃ？ここは……？

やァ、存外早い決断だったね。(くすくす、と目の前で“ソレ”が座って笑っている)

おう。善は急げってやつだろ？
……つっても、政宗たんにあんな顔させちまう事が本当に"善"かは定かじゃないが。
（肩を竦め、こちらもまた飄々とした笑みを返す。リラックスした様子で椅子の背もたれへ背中を預けつつ）

悪いな商人たん、巻き込んじまってよ。
それで「出来る」とは聞いてたが、それがタダとは聞いてない。
アンタほどファンタジーな存在が、対価に何を求めるか想像もできないぜ。やっぱアレか？「お前の声をいただくよ」とか「死んだ時に魂いただきます」的な

よろしい、キミは御伽噺を識るものだね。といっても、その対価自体「キミたち」から学んだ事ではあるが。

教え子の慕うコだからね。キミには２つ道を示そう。

キミのその記憶。(相手を指差す)

“大切なモノ”として我(アタシ)に【引き取らせる】。

或いは、

“要らないモノ”として我(アタシ)に【売る】。

だ。

(“ソレ”はとても愉快そうに笑った)

人は産まれながらにしてドMなのさ。何かを得るために何かを失いたがる。だから悲哀をテーマにした同人誌は売れるんだよ。

（腕を組み提示の要件を聞けば、ふむと顎の無精髭をさすり）
【引き取らせる】？【売る】？？クーリングオフとか買い戻し効くの？すげぇなこの世界の魔術は。黴た物語より、よっぽど進んでる。

商人たんの問い掛け方がもう少し違ってたら、迷ったかもしれないが……そう言われたら、【引き取らせる】だな。
（真っ直ぐに目を逸らさず、相手の方へ視線を留める。自分に呆れたような、くしゃっとした笑みで）
実はさ、今の自分が嫌いとか、過去に嫌気がさしたとかじゃないんだ。だから"大切なモノ"、なんだよ。

なるほど、よいね。気に入ったから今の言葉を少し先送りにしてもう少しだけ話をしてあげよう。

いやなに、簡単なことだよ。【引き取らせる】なら我(アタシ)に対価を払う。【売る】ならキミは対価を受け取る。その違いだ。言っておくが、どちらにせよ我(アタシ)は自分のモノにしたのを手放すのは相当渋るぜ？(くすくす)

【売る】ことにして対価を受け取るなら……そう、キミは作家だからね。それに役立つような対価を渡そう。例えば新しくナニかを見えるようにする、とかね。

さて、それでもキミの答えは変わらないかナ？

手厚いな商人たん、商売上手だ。

だから腹を割って話そう。俺は記憶を手放すなら作家としての人生に、未練がない。
手渡された鉛筆の使い方さえ分からないとか、常識的にやべー記憶の抜け落ち方は「今後の俺」に申し訳なさすぎるんで困るけどな。はっはっは！だから対価は必要ないんだ！

売れない漫画家時代はアルバイトやって生計立てれてたし、未来の俺に望むのはささやかな事。

人並みの生活を送れて、迷いなく政宗と向き合える事だけなんだ。

なるほど、なるほど。それではキミは、我(アタシ)に【引き取らせる】方がいいと。よろしい。

では、そうだな……対価には、とある言葉を賜ろうか。とはいっても、我(アタシ)もそれほど鬼じゃあ無い。キミの生活に大きく支障が出ないように配慮しよう。

（くつり、くつり。"ソレ"が可笑しそうに笑う）