PandoraPartyProject

ギルドスレッド

商人ギルド・サヨナキドリ

夜宙のテウルギア

それは何処か儚く、毒の様に甘やかな、そんなひと時。

満天の星空の下に美しいテーブルと椅子、茶器が出されている。

武器商人
アレックス=E=フォルカス
のお噺

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んむん。存外押しが強いな貴様。熱烈な口説き文句だ……私ごとで我慢しておくがよい(円形楽譜のような魔法陣の浮かぶ、そのキラキラした目は幼子を見るかのように緩められていた)
いいのぉ?それならキミごと持っていこ。(くすくす)

どうしようかな、キミの中身は面白いから、ソレを使って手元に置いてしまおうかしら。これ以上眷属を増やしたら、真砂に怒られるかなァ。まァ、それは別にいいけど。
(歌うようにゆっくりと、指先をくるくる回しながら考えるように)
こらこら。隣人では無かったのかね?移り気なヤツめ。まぁ、気が向いた時に呼ぶが良い、貴様との茶会はやぶさかではない(苦笑してその指をつつき)
隣人だよ。隣人だけど、みんな我(アタシ)よりは長く生きないんだもの。だったら眷属にして、少しでも我(アタシ)の傍に長く置いておきたい。我(アタシ)の眷属はみんな元ニンゲンだしね。(ソレが無邪気に笑って)
寂しがりな悪魔もいたものだ……安心しろ、この身はそう簡単には死なぬ。ふふ、それにな。ヒトは皆それを抱えて生きているのだ。私はそれを忘れた訳では無いよ、名も無き悪魔。貴様も少なくとも、こと私に関しては……ふふ、存分に不安になり、存分に安堵し、存分に強欲を抱き続けるといい。手に入らぬから美しい物もあるのだ(その幼子のよう笑顔にくすりと静謐な微笑みと視線を向けた)
でも人は自分の終わりを識っている。キミだってそうだった。そしてキミはその気になれば終わることも出来る。そうだろう?

だから欲しい。我(アタシ)にとってはどちらでも、どうなろうと、キミの美しさは変わらないのだから、それならば手元で魂が擦り切れて終わるその時まで愛で続けたい。そんなに可笑しなことかぃ?
貴様は終わりを望むのか?(少しつまらなそうに、じぃ、と見つめ。永きを生きるものは得てして終わりを望む。自らすら最後にはそう望んだのだ。だが、それが少し気に入らないアレックスだった。果たしてどちらが幼子なのか)

……ここまで熱烈な言葉は流石に初めてだな。よい、可笑しいことなど初めからないさ。ああ、貴様はそう感じていたのか……なら私を堕として見せたまへよ、名も無き悪魔。私はまだ姉上に囚われているのだから。ふふ、ああ、だがーーー全て終わらせたならば。貴様の物になるのも悪くは無いか(目を細めてカップを揺らし。ふわりとただようその香りを楽しみ)
まさか、こんなにも世界は愛しいのに。それに終わったら小鳥が泣いてしまうもの。終わりを知ろうとした結果で終わるならそれはそれで構わんけれど、別に終わりたいわけじゃないよ。

ーーでも、終わりが見えないってのは存外と疲労が溜まるものさ。

ヒヒ、それは素敵。じゃあそうだなァ、手始めにーー菓子と共に世間話でも如何?(くすくすと笑って)
……そうか……(その言葉に頷くと何も返さず。咀嚼した)

ああ、それは魅力的な提案だ。ふふ、ぜひ(アホ毛がピコピコ揺れた)
アップルパイはお好きかぃ?(ゆっくりと首を傾げて彼に聞いて)
うむ!(先程とはうってかわりふにゃっとした笑みになる)
であれば、それにしようか。

(ソレの影がごぼり、と沸き立つ。影の中からひらべったい箱を取り出した。箱を開くとバターの香りがふわりと鼻をくすぐることだろう。中に入っていたのは狐色の焼き色が美しいアップルパイだ。円盤状に形成されていて、りんごがパイ生地に包まれているタイプらしい)
良い香りだ……(鼻をくすぐるその香りにそわそわと箱を覗き込むと見えた美しい焼き色。丁寧に編み重ねられた生地の隙間から見える宝石のような林檎がとても美味しそうだ)
エヴァーグリーンの旦那のアップルパイだ、味は保証するよ。

(どこからか取り出した小さなナイフを片手でくるりと回す。パイ生地にナイフを入れるとサクッと軽快な音を立ててパイが切り分けられ、中から甘く爽やかな芳香を漂わせながら黄金色のりんごが顔を見せた。ソレがテーブルの上を撫でるように手のひらをかざすと陶器製の平皿とフォークがセットで現れる。まずは一切れ、皿の上にアップルパイを乗せると白く細い指で客の前へ皿を押し出して)
ふふ、ありがとう。では早速1口……(皿を受け取るとひとくち食べ。小さな口をもにもにと美味しそうに動かして蕩けるような微笑みを浮かべた)

……んく 、美味しい……(ふにゃ)
(口に運べば、甘く砂糖で煮詰められながらもしゃりしゃりとしたりんごの食感が、バターの優しい味を纏うパイ生地と合わさって、早く次の一切れを、と誘惑してくる)

それはよかった、あのコも喜ぶ。ーーさて、そうだなァ……キミの“姉上”がどんなコか聞いてみたいな。“アネ”って、“アニ”の女版であろ?もちろん見た事はあるけれど、少し興味がある。人間?
(味わってひと口ひと口を食べる。こういう時は己の小躰が嬉しい。長く味わえるから)

……姉上についてか。ああ、もちろん人間だとも。強い人だったな……そして慈悲に溢れていた。よく悪戯をしては叱られていたな、私は(何処か遠くを見つめて)

……本来ならば、もう死んでいる人間なのだがな(そのまま、アップルパイにフォークを突き刺したまま呆けて)
本来ならば、ね?(自分もアップルパイを皿に取って一口かじると、その先を促して)
『……深緑で見た姉上は』異形の角が生え『私を襲い』自らを……イグ『ジスト』クライ『厶と名乗っ』た。……何の因果か、ここに流れ着いたのだろう……『姉上の遺骸が。そして、奴に……奪われた』のか。真なるは未だ『分からぬ』(ぽつり、ぽつりと言の葉が漏れる度アレックスの体にノイズが走り獣の姿が重なる)
へぇ。そいつはまた愉快な名前をしている。
キミはそれをどうにかしたいの?
『無論。姉上の声で。顔で。姿で。蠢くあの存在を塵すら遺さず滅ぼさねばならぬ。……分かるだろう武器商人、貴様ならば。どれだけそれが私と姉上の魂を踏みにじるものかを』

(とうとう完全に獣へと変わり果て。星の光が水晶の肉体に反射し、キラキラと輝いた。それはまるで……涙のごとく)
(そっとその水晶の肉へ手を伸ばし、涙を拭うかの様に触れようと)
もちろん理解するとも、美しいコ。キミは尊厳を守る戦いを望んでいる。キミと、キミが保持している“アネ”との美しい思い出を守るための。
(ひんやりと、氷のような冷気を持つその水晶は武器商人の手に硬い感触を返した。その手を包むようにそっと異形の爪手が包み込み)

『……私をフォルカスに繋ぎ止める最後の悔いだ。私という個を繋ぎ止める、最後の。故にまだ貴様のものになる訳にはいかぬのだ。私が未だフォルカスであるがゆえに』(未だ過去の因果に繋がれた現状をこの誇り高き獣は許容出来なかった。故に、これ以上他の鎖に繋がれる訳にはいかぬのだと。一匹の獣に繋がれる鎖は一つなのだと、そう語る)
そぉ。ならば可愛いフォルカスのコ、その悔い、その望みを祝福しよう。キミの鎖の先がそこにあると言うならば、その鎖を我(アタシ)が持って行ってしまおうね。(くすくす、くすくす)
『……物好きな悪魔もいたものだ』(肩をすくめると罅割れるようにして元の姿になり)

……その時が来たなら、助けを借りよう。ありがとう、武器商人
強欲なだけだよ。ぜぇんぶ欲しいの。(くすくす…)
……ふ。私を飼い慣らせるか見物だ。その強欲、鈍らせるでないぞ(ふぅ、と一息つくと再び茶を口に運び。その優しい香りに目を細めた)
飼い慣らしたりなんてしないさ、我(アタシ)にそんな器はないしね。我(アタシ)はただ愛するだけだよ。(ソレも倣って、お茶に口付けて)
……まったく。かなわないな、これだから神魔というものは(その在り方に苦笑してアップルパイを口に運んだ)
そんな大層なものじゃないよ、我(アタシ)は。本物の悪魔には一緒にするなとしかめっ面されてしまうしね。(けらり、と笑って)
ふ、なんだそれは。ふふ。まぁ、私の話はもう良いだろう。貴様の話を聞かせておくれよ。貴様が何者なのか、興味がそそられる(ひとくち茶を含み)
我(アタシ)?ンー……気が付いたら空に浮いてたからね。誰も我(アタシ)の事を知らないし、わからない、が答えになってしまうかな。(暖かいお茶を追加で注ぎながらそう答えて)
ほぉ。神魔の類と似た発生だが……貴様は貴様か。同じ銀髪ゆえ少し親近感も湧いておるのだがな(じーっとその綺麗な髪をみて)
これ?魔力を貯めるのに便利だよ。最近は小鳥が手入れしてくれるんだァ。(髪を一房取ってニコニコしている)
仲睦まじいな……私も髪の手入れを頼んでみるか……(自分の髪をくるくるといじり)
おや、そんな仲のコがいるんだ?(くすくす)
有能な秘書が、な。まぁ、執務でもないこんな事を頼んだら呆れられるかもしれないが(肩を竦め)
断られたら、交友の一環として我(アタシ)がその栄誉を与りたいところだね。(けらり)
おやおや。貴様が?それも悪くない……(アホ毛がピヨピヨ揺れた)
…いいの?(小さく首を傾げて、幼児の様にじぃっと彼を見つめる)
うむ。任せた(その様子にクスリと笑って、承諾して。サラサラと、とても長い銀髪が風に揺れた)
…、(そわ、と身動ぎすると、懐からゴソゴソと拓殖の櫛を取り出してみる)
(席を立って彼の後ろに周ると、そーっと髪を一房手に取ってみようと)
(サラサラとしたその髪はまるで砂のように手からこぼれ落ちるような感覚を伝える)
見たまんま、綺麗な髪だね。我(アタシ)のと質感はよく似てる。"そう"なる前からこんな髪だったのかぃ?(髪に柘植櫛を通して、櫛に染み込ませた椿油を軽く擦り付けるように軽く櫛を動かしていく)
ありがとう。……ふむ、もはや記憶も定かではないが……少なくともこの肉体は“こう”なる前の物だとも。最近はその片鱗もあるが……囚われていた頃は半人半魔の姿だったゆえな。今は混沌に来て不思議な事に戻ってはいるが……っと、上手いな。心地よい……(丁寧なその櫛に目を細め)
元から綺麗な髪なのだねぇ、妖精には喜ばれそうだ。心地が良いならよかった。
うぅむ。それがな……妖精、精霊の類には蛇蝎の如く嫌われやすいのだ……この身が獣ゆえか分からぬが……ただひと言……「くちゃい」と言われたのは……応えた……(ふるふる)
…ああ、なるほど……この気配、あのコらはお気に召さないのだね。…なるほど……なるほど、…くちゃい、……、(くふくふと笑う気配が伝わってくる)

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