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惑いの花酒亭

【酒場/RP-テーブル席】

合縁奇縁、とはどこのウォーカーから聞いた言葉だったろうか。

二度、依頼を共にする機会を経て個人的な興味が湧いた。
きつく弦を張った、うつくしい銀の弓矢のようなヒトだと思う。
爪弾けばどんな音を響かせるのか、その鏃は何処へ向いているのか。
聊か性質の悪い好奇心は尽きない。

花灯りの下、とびきりの香酒を一瓶。
黒豹が一匹、尾を揺らしながら白銀のおとないを待っていた。

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お呼びした方とのスレッドです。
カウンターから少し離れた酒場のテーブル席。
窓際、月が見えている。

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ククク…少なくとも真っ当な善人の貌じゃねぇって自覚はあるぜ?
(くつくつと咽頭を鳴らして笑うのは最早癖になっていて。このやり取りを楽しむが故に声色は弾む。未だに燻る憎悪の焔こそ己が本質ーー彼女の予想と違わず『レイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタイン』として混沌の地に召喚されて居なかっただろう。彼女の金眼は笑顔の仮面の下の本質を見事見抜いていた。)
ま、俺が果たすべき事を果たした後なら。流れに任せて誰かに踊らされるのも悪くは無い…リノくらい良い女なら尚更。
(冗談めいた笑みを引っ込め、最後の一杯が注がれたグラスを煽る。鼻腔一杯に広がったのは酒精と花の甘い香り。薄く透けた花弁まで薄紅と一緒に飲み干した頃には、青白い肌には仄かに朱が差していて。)

咲き誇る花の涙もまた美しく。其を手折るのが此の化け物たる俺と云うのは…そそるなァ。
ーーなんて、冗句は程々にして。リノの実力が折り紙付きなのは既に知ってるさ。
(ヘテロクロミアに確かに映ったのは艶やかさの裏に隠された獰猛な笑み。嗚呼、何と愉快な事だろう !彼女は化け物たるこの身をもその爪で引き裂き、牙で食千切るのだろうか?双眸を細め、血が高揚するのを隠そうともせずに言葉を連ねるだろう。)
ああ、是非とも。次の機会を楽しみにしてる。
なぁに俺のつまらん与太話に付き合ってくれた礼だ。今宵は月が綺麗な良い夜だったしなァ。
(然り気無く席を立てば布袋から貨幣を数枚取り出して勘定を済ませる。多めに乗せられた1枚の金貨は上等な酒と楽しい一夜を提供した『惑いの花酒亭』へのチップだ。再び席に戻れば、山盛りの果実の中から真っ赤に熟れた苺を選んで頬張る。口一杯に広がる甘味と程好い酸っぱさ。赤さが増した舌で自らの薄い唇を舐めれば、悪戯小僧の様な笑みを深めた。)
(こうして夜は耽るーー宵闇は深まり、星々が息を潜める中で月は尚優しく夜を生きる者達を導くのだろう。この後に黒豹の彼女と吸血鬼が何を語らったのか知るのは、硝子の先の月だけだった。)

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