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酒場『燃える石』

【個別】ごろつきどもがゆめのあと

酒は、良いものだ。
百薬の長とはよく言ったもの。酒で身を崩す者も居るが、それはそいつが阿呆だっただけのこと。酒はかけがえのない命の水であり、人類に(それ以外のいきものにも)寄り添う友である。
特に仕事終わりの一杯は格別だ。疲れた身体に染み渡り、擦り減った心を満たし、傷付いた魂を癒やす。代償は何だ、と?いいや、酒は何も求めない。ただ与えるのみ。哀れな阿呆が溺れて窒息するまでな!
今宵の卓には破落戸が二匹。悪事をはたらき、しくじり、追われ、這這の体でここまで逃げ延びた。酒はどんな輩にも平等だ。こんな輩にも平等だ。
さて、溺れるか。はて、飲み干すか。

(グドルフ・ボイデル【p3p000694】様との個別専用スレッドです。)

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(言ってから、しまったと思った──本来-いつも-なら、『あいつ』もこのテーブルを囲んでいた。だから、酒の勢いでつい、口から滑りだしてしまったのかもしれない。嗚呼──彼に『あいつを忘れろ』と言ったのは己の筈だったのに)

……悪い。

(言い訳しようも無い。たった一言だけ、そう絞り出した。己に掴みかかろうとする青年がテーブルに乗り上げた瞬間、バランスを崩した彼に、立ち上がりながら咄嗟に手を伸ばそうとし──それを降ろした。酒で鈍った思考でもそれは逆効果だと判断できたからだ)

……。

(一連の騒動に、また喧嘩か?と周囲が視線を投げつける。いつもならそんなものは気にも留めないのだが──今は、それが無性に腹が立つ)

何見てんだ……見せモンじゃねえぞッ!! 

(吐き出すように叫ぶ。最初から分かっているのだ。情けない己に対して一番腹が立っている事に。あんなのはただの八つ当たりで、二回りも歳が離れた青年に矛盾を叩きつけられた事が、何よりも恥ずべき事であった。『一番未練たらたらなのは俺の方じゃねえか』──酒に溺れても、ふとした時に思い返してしまう。それがどうしようもなく、やるせなくて。ただ俯いた)

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