店主「…………………………」

カウンターの向こう側に無口な中年男が立っている。
「いらっしゃいませ」の一言も無く、ただ黙々とグラスを磨いている。明らかに客商売向けの人間ではない。

だが、誰もこの男を咎めはしない。
何を見聞きしてもこの男は絶対に他言しない。余計な詮索も一切無い。
ただ、黙ってカウンターに立ち、言われるがままに酒を提供する。

この男の前では何を話しても問題ないだろう。

（雑談スレッドです。）

（くぁ、と欠伸を漏らしながら入ってくる）
（店内をぐるりと見渡し、隅のカウンターに腰かけた）
マスター、お酒イガイちょーだいな。アマいので。
あ、ストローも付けてネ。料理は食べれナイからイラナイよ。

――ン、ああ。ドーモ、アタシはジェック。テキトーによろしくネ。