店主「…………………………」

カウンターの向こう側に無口な中年男が立っている。
「いらっしゃいませ」の一言も無く、ただ黙々とグラスを磨いている。明らかに客商売向けの人間ではない。

だが、誰もこの男を咎めはしない。
何を見聞きしてもこの男は絶対に他言しない。余計な詮索も一切無い。
ただ、黙ってカウンターに立ち、言われるがままに酒を提供する。

この男の前では何を話しても問題ないだろう。

（雑談スレッドです。）

おや、眠り姫のお目覚めでやすか。
どーも、艶蕗言います。姐さんが懐かしい言うソレと同じかは分からんでやすが、取り敢えず河童でやんす。よろしゅう。


んーむ。
何や聞いてる限り此処か旦那の故郷じゃ普通に料理扱い見たいでやんすけど、あっしの居たとこじゃ薬扱いやったもんでやすからなあ。良薬は口に苦し言うし、極端な味なんも道理でやしょ。
言うか、高価なもんな筈やねんけど……やっぱ世界が違うと物の価値も変わるもんか……いや、言うかそもそも単に文明レベルとか言うもんの差を感じる……様な……
（酸っぱそうにしているエマを見て少し思案顔）

おっと、タダ酒が呑めるんならそらこの舌は軽うなってまいますわ。
ヘヘヘ、そりゃお得な申し出でやんすね。
（両手をすり合わせながら笑い）
……この肉汁と蜂蜜が混ざり合った不味い不味さを洗い流す為にも、是非。
（それはもう大丈夫じゃない顔で頷く）
言うてもまあ別に大層な話でもないでやんすけどね。