店主「…………………………」

カウンターの向こう側に無口な中年男が立っている。
「いらっしゃいませ」の一言も無く、ただ黙々とグラスを磨いている。明らかに客商売向けの人間ではない。

だが、誰もこの男を咎めはしない。
何を見聞きしてもこの男は絶対に他言しない。余計な詮索も一切無い。
ただ、黙ってカウンターに立ち、言われるがままに酒を提供する。

この男の前では何を話しても問題ないだろう。

（雑談スレッドです。）

ま、まあ……覚悟決めて食えば……なんとか……
（顔を情けない表情に歪めつつもう一口。ムグムグ）
……（苦行者みたいな表情でゴクン）
この艶蕗、自慢にゃならんでやすが永らくの間『調理』なんてろくろくしない環境で暮らしてたでやす。……やからそれ相応に悪食だって自負があったんやけど……
（半眼で串を睨みつつ三口目を躊躇している）

へえ。実際ホーキンスの旦那の判断が賢いと思うでやす。
（頷いてからシグルーンの方を向き）
そして姐さん興味がおありで？　なら是非一口！
さささ、あっしの奢りでやすよって（押し付ける気満点で差し出して来た）

ギヒュッ？　……な、なんでやすかそれ。
（キドーの言葉に鼻白んだ顔で呻き）
それこそ何でも美味しく食えるギフトの持ち主とかなんじゃ……


ちなみに、あっしのギフトはレアリティの低さに置いちゃかなりのもんでやんすよ。
何せ持ってる人がめちゃ多いスキルと効果に大差がないと来たもんや。
（ヒヒヒと笑う）