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廃墟
「……別に、君と自分の考えが一致する必要はない」
それに関しては、感じ取り方の違いなのだろうと思う。
自分には自分の、相手には相手の感じ取り方がある。そして、自分は別に自分の考えを相手に押しつける気は毛頭ない。
もともと、あれこれを必要以上にマイナスに考え表現するのは、この男に染みついた癖のようなものだった。僅かでも期待することは疲れるから、予防線を張って、見なかったことにしたいだけだ。
「…………『自分』を話せと言われても、何を話せばいいのか分からない。姿は、説明しづらい。ここにいるのは、とりあえずの寝床にしたからだ。人があまり来なくて、落ち着く」
もとの世界のことは話したくない。
姿は、カオスシードやハーモニアに近い人型だと言っても、見えない相手にはその前提が分からない。なら、通じるはずもない。
好きなものは、よく分からなかった。
だから、とりあえずはここにいる理由を答えることにした。
それに関しては、感じ取り方の違いなのだろうと思う。
自分には自分の、相手には相手の感じ取り方がある。そして、自分は別に自分の考えを相手に押しつける気は毛頭ない。
もともと、あれこれを必要以上にマイナスに考え表現するのは、この男に染みついた癖のようなものだった。僅かでも期待することは疲れるから、予防線を張って、見なかったことにしたいだけだ。
「…………『自分』を話せと言われても、何を話せばいいのか分からない。姿は、説明しづらい。ここにいるのは、とりあえずの寝床にしたからだ。人があまり来なくて、落ち着く」
もとの世界のことは話したくない。
姿は、カオスシードやハーモニアに近い人型だと言っても、見えない相手にはその前提が分からない。なら、通じるはずもない。
好きなものは、よく分からなかった。
だから、とりあえずはここにいる理由を答えることにした。
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若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
頬を撫でる風が心地よかった。
「……晴れ。空。……青……」
半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。
・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎