ギルドスレッド
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廃墟
彼女は首を傾げた。爪とは別と、彼は言った。これは宝玉だ、とも。しかしここは爪のある部分だ。つまり……。
「爪が石でできている、ということかしら?」
彼は自分と別の世界から来たのだーーと、改めて理解する。
しかし、爪が石でできている人間と初めて出会った。もしかしなくても多世界の中で、こういった人間は少ないのではないだろうか。そう、自分のような人間が少ないのと同じで。
「……ふふ。一緒ね、私たち」
彼女は嬉しそうにはにかんで、触れている彼の手をそっと撫でようとした。
「爪が石でできている、ということかしら?」
彼は自分と別の世界から来たのだーーと、改めて理解する。
しかし、爪が石でできている人間と初めて出会った。もしかしなくても多世界の中で、こういった人間は少ないのではないだろうか。そう、自分のような人間が少ないのと同じで。
「……ふふ。一緒ね、私たち」
彼女は嬉しそうにはにかんで、触れている彼の手をそっと撫でようとした。
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若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
頬を撫でる風が心地よかった。
「……晴れ。空。……青……」
半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。
・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎