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廃墟

【RP】贄神は惰眠を貪る

 柔らかな日差しが降り注ぐ。
 若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
 綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
 頬を撫でる風が心地よかった。

「……晴れ。空。……青……」

 半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
 視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
 日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。


・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎

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 ソフィラ、と相手の名前を呟くように繰り返す。
 どうにも、他人の名前を覚えることは苦手だった。おまけに、あまり覚えても意味がなかったから、結局覚えずに終わることが多かった。
 とはいえ、この世界で暮らすなら覚えなくてはならないので、また、ソフィラ、と小さく繰り返す。

「……何」

 頬へと伸ばされた手に気づくと、反射的に身を引いて避けた。そうして、怪訝そうに僅かだけ眉を顰め、また疑問符のない問いを落とす。
 他人から伸ばされる手は苦手だ。避けておかないと、大抵とても痛い。

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