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廃墟

【RP】贄神は惰眠を貪る

 柔らかな日差しが降り注ぐ。
 若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
 綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
 頬を撫でる風が心地よかった。

「……晴れ。空。……青……」

 半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
 視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
 日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。


・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎

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 思わぬことを問われると、ことりと僅かだけ首を傾げた。名乗りを求められて、自分を示す一人称というやつに言及されたのは初めてのことだった。

「どうして。……オズウェル・ル・ルーは道具だ。何も間違っていない」

 オズウェル・ル・ルーは、宗教国家が管理し、神殿の奥に秘匿すべき聖遺物である。数多の人間のために使い潰される道具である。人間に幸福を与えるために不幸全てを与えられる贄神であり、生神である。かつては多くいた、地上に生きる神族の、終の一。
 多くは告げないまま、傾けた首を元の位置に戻し、じ、と相手を見つめる。髪、引きずりそうだ。ぼんやり思って、また僅かだけ首を傾げた。

「……誰」

 相手に端的に、その存在……おそらくは、名を、問い返した。

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