ギルドスレッド
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廃墟
彼女はかくり、と小首を傾げ……暫しして、ようやくああ、と声をあげた。
確かにそんな説明もあったような。最低限自分に関わるところは覚えているのだが、いかんせんその他が曖昧である。
だって知らない感覚だらけだったんだもの。と心の中で言い訳をし、彼女は彼の言葉に頷いてソファーの方へーー目の前の、やや下へ手を伸ばした。付け足された言葉の通り、あまり座り心地は良さそうにない。しかし『座るための場所』というものであるだけで全然いい。
彼女は手の感覚を元にゆっくりと腰掛け、隣に彼が座るのだろうと端と思わしき方へ少し詰めた。
「ありがとう、優しい人。お名前を伺ってもいいかしら?」
確かにそんな説明もあったような。最低限自分に関わるところは覚えているのだが、いかんせんその他が曖昧である。
だって知らない感覚だらけだったんだもの。と心の中で言い訳をし、彼女は彼の言葉に頷いてソファーの方へーー目の前の、やや下へ手を伸ばした。付け足された言葉の通り、あまり座り心地は良さそうにない。しかし『座るための場所』というものであるだけで全然いい。
彼女は手の感覚を元にゆっくりと腰掛け、隣に彼が座るのだろうと端と思わしき方へ少し詰めた。
「ありがとう、優しい人。お名前を伺ってもいいかしら?」
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若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
頬を撫でる風が心地よかった。
「……晴れ。空。……青……」
半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。
・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎