ギルドスレッド
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廃墟
声音は男にしては高く、女にしては低い。そして何より、吐息のように囁く聞こえづらい小さなものだ。視覚で補えず声で分からずとも、手に触れて男だと分かれば警戒心くらいは見せるかとも思ったが、どうやらそうでもないらしい。
見下ろす左右異色の瞳と、相手の灰色の瞳は合わない。どうやら、本当に見えてはいないようだ。
「……ああ、そういうこと。エスコートでもしろってことかと思った」
相手からの提案に、僅かばかり瞳を瞬く。
もとの世界のこと。
「……よくウォーカーだって気づいたね、君。最後の提案はお断りだけれど、周囲の話や雑談程度なら付き合ってもいい」
もとの世界のことは、とくに話せるネタがなかった。
歩くよ、とひと言告げて、先導するようにゆっくりと歩き始める。瓦礫は己の足で無造作さに横に蹴り退けて行った。まあ、やらないよりはマシだろう。
目的地は、もといた木漏れ日が降り注ぐソファーだ。
見下ろす左右異色の瞳と、相手の灰色の瞳は合わない。どうやら、本当に見えてはいないようだ。
「……ああ、そういうこと。エスコートでもしろってことかと思った」
相手からの提案に、僅かばかり瞳を瞬く。
もとの世界のこと。
「……よくウォーカーだって気づいたね、君。最後の提案はお断りだけれど、周囲の話や雑談程度なら付き合ってもいい」
もとの世界のことは、とくに話せるネタがなかった。
歩くよ、とひと言告げて、先導するようにゆっくりと歩き始める。瓦礫は己の足で無造作さに横に蹴り退けて行った。まあ、やらないよりはマシだろう。
目的地は、もといた木漏れ日が降り注ぐソファーだ。
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若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
頬を撫でる風が心地よかった。
「……晴れ。空。……青……」
半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。
・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎