ギルドスレッド
スレッドの一部のみを抽出して表示しています。
廃墟
求められると、軽く瞳を瞬いた。
もとの世界では初対面の女性に手を触れるなんてしたことがない。そもそも、他者に触れるという行為をあまりして来なかった訳だが。
考えたのは、数秒。
差し出されたのだから、取った方がいいのだろう。
ざっくりと考えを決めると、ソファーから身を起こす。ぎしり、とまたソファーが軋んだが、それを無視して立ち上がる。
歩み寄った相手の頭は、自分より20cm近く低いだろうか。
「……ん。どこに行きたいの、君」
伸ばされた相手の手を取った男の手は、柔らかさもなく骨ばって細い。けれど、それなりにしっかりと力が入って、相手を支える気はありそうだった。
もとの世界では初対面の女性に手を触れるなんてしたことがない。そもそも、他者に触れるという行為をあまりして来なかった訳だが。
考えたのは、数秒。
差し出されたのだから、取った方がいいのだろう。
ざっくりと考えを決めると、ソファーから身を起こす。ぎしり、とまたソファーが軋んだが、それを無視して立ち上がる。
歩み寄った相手の頭は、自分より20cm近く低いだろうか。
「……ん。どこに行きたいの、君」
伸ばされた相手の手を取った男の手は、柔らかさもなく骨ばって細い。けれど、それなりにしっかりと力が入って、相手を支える気はありそうだった。
キャラクターを選択してください。
- « first
- ‹ prev
- 1
- next ›
- last »
若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
頬を撫でる風が心地よかった。
「……晴れ。空。……青……」
半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。
・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎