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廃墟
まだ、この世界には慣れない。
穏やかな時間。存在するだけで一目置かれる謎の世界。何をしてもしなくてもいい自由。弱まったものの、指向性を持ってギフトと呼ばれるようになったこの体質。
全てに、慣れなかった。
その最中で、適当な寝床を見つけられたのは幸いと言う他ない。
「……別に、誰が来ても構わないけれど」
“不当に廃墟を占領している”というやつなので、その内に誰か来るかなとは思っていたのだが。それが管理官とは無縁そうな女性とは思わなかった。とりあえず、追い出されることはなさそうだ。
手をつき一歩一歩進む様や、周囲を把握していない様子は、おそらく盲目、もしくは過度の弱視だろうと予想する。
穏やかな時間。存在するだけで一目置かれる謎の世界。何をしてもしなくてもいい自由。弱まったものの、指向性を持ってギフトと呼ばれるようになったこの体質。
全てに、慣れなかった。
その最中で、適当な寝床を見つけられたのは幸いと言う他ない。
「……別に、誰が来ても構わないけれど」
“不当に廃墟を占領している”というやつなので、その内に誰か来るかなとは思っていたのだが。それが管理官とは無縁そうな女性とは思わなかった。とりあえず、追い出されることはなさそうだ。
手をつき一歩一歩進む様や、周囲を把握していない様子は、おそらく盲目、もしくは過度の弱視だろうと予想する。
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若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
頬を撫でる風が心地よかった。
「……晴れ。空。……青……」
半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。
・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎