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廃墟

【RP】贄神は惰眠を貪る

 柔らかな日差しが降り注ぐ。
 若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
 綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
 頬を撫でる風が心地よかった。

「……晴れ。空。……青……」

 半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
 視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
 日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。


・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎

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 まだ、この世界には慣れない。
 穏やかな時間。存在するだけで一目置かれる謎の世界。何をしてもしなくてもいい自由。弱まったものの、指向性を持ってギフトと呼ばれるようになったこの体質。
 全てに、慣れなかった。
 その最中で、適当な寝床を見つけられたのは幸いと言う他ない。

「……別に、誰が来ても構わないけれど」

 “不当に廃墟を占領している”というやつなので、その内に誰か来るかなとは思っていたのだが。それが管理官とは無縁そうな女性とは思わなかった。とりあえず、追い出されることはなさそうだ。
 手をつき一歩一歩進む様や、周囲を把握していない様子は、おそらく盲目、もしくは過度の弱視だろうと予想する。

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