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廃墟

【RP】贄神は惰眠を貪る

 柔らかな日差しが降り注ぐ。
 若干の暑さは感じるものの、大きく伸びた枝葉の影の恩恵は大きく、寝苦しくなるほどでもない。
 綿が飛び出したせいであまりクッション性のないソファーの上で、一度、寝返りをうつ。
 頬を撫でる風が心地よかった。

「……晴れ。空。……青……」

 半ば寝ぼけながら呟いた端的な声は小さく、するりと空気に溶けて行く。
 視界に映る枝葉の隙間の青空が、ひどく眩しくて、心地よい。
 日に焼けない白い掌を、木漏れ日にかざす。ほんのりと、血潮が透けた。


・異世界からやって来て、ほんの数日。寝床を決めたばかりのある日のこと。
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎

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「……あら?」

その問いが聞こえた瞬間、壁がなくなった。
どうやら曲がり角だったようで、その先から風の流れがある。先程から感じる古びた感触からするに、どうやらこの先のどこかで壁が天井が抜けてしまっているようだ、と見当をつけた。
と、そこからようやく彼女は先ほどの問いへと思考を移す。

「誰か…いるみたいね。住んでいるのなら、お邪魔してごめんなさい」

口を動かしながら、曲がった先の壁に手をつき。その足は一歩、また一歩とゆっくり進む。

「迷子になってしまったのだけれど……ここはどんな場所なのかしら?」

光の差さぬ瞳をまっすぐ前に。彼女はリビングへ入ろうと、一歩踏み出した。

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