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廃墟
随分と、礼儀正しい挨拶が返ってきたものだ。
でも、どうやら聞き慣れない呼び方は変わりそうにない。この子うさぎからの呼ばれ方の標準装備だと思った方がよさそうだ。
一度割り切ればすぐに意識を切り替えて、下げられた頭を視線だけで見やった。
なかよく。
それは、自分にとってよくわからないことだったけれど。とりあえず、今のところ、相手に悪感情はない。
ラヴィアンローズ、とあいかわらずの聞き取りづらい小さな声で、相手の名前を覚えるように繰り返した。
「……この世界の果物はよく知らないんだけれど」
動かなければ、みずみずしい普通の果物に見える。動かなければ。
なんの果物でどんな味かもわからないから保証はできない
とりあえず、とナイフで皮をむき始めてみることにした。
ふわりと香った匂いは甘酸っぱくておいしそうに思える。指先をあふれた果汁が濡らした。
でも、どうやら聞き慣れない呼び方は変わりそうにない。この子うさぎからの呼ばれ方の標準装備だと思った方がよさそうだ。
一度割り切ればすぐに意識を切り替えて、下げられた頭を視線だけで見やった。
なかよく。
それは、自分にとってよくわからないことだったけれど。とりあえず、今のところ、相手に悪感情はない。
ラヴィアンローズ、とあいかわらずの聞き取りづらい小さな声で、相手の名前を覚えるように繰り返した。
「……この世界の果物はよく知らないんだけれど」
動かなければ、みずみずしい普通の果物に見える。動かなければ。
なんの果物でどんな味かもわからないから保証はできない
とりあえず、とナイフで皮をむき始めてみることにした。
ふわりと香った匂いは甘酸っぱくておいしそうに思える。指先をあふれた果汁が濡らした。
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目の前には、それはもう元気よく走り抜けて行く果物の群れ。
……そう、走り抜けて行く、果物の、群れ。
「……?……動いた」
果物って、動くものだっただろうか。もしかして、自分が知らないだけで動くのが当たり前なのだろうか。
目の前の状況をまじまじと見つめる、左右異色の瞳。
これがこの世界では普通なのかもしれない。なるほど、異なる世界というものは驚きに満ちている。
しゃがみこんで長々と観察していたせいで、3度目までは通過を見逃した。あんまり見事な走りで、つい。
そうして、4度目。
目の前を横切った果物をわしっと無造作に掴んで、手にしていた籠に入れる。
籠の中から出ようとする活きの良いそれを片手で押さえつつ、ことりと小首を傾げる。
「……どうやって食べよう」
今度はそれが大きな問題だった。
・【爽秋の一時】みんなで楽しく? 果物狩り
https://rev1.reversion.jp/spevent/result/18/25
これをもとにしています
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎
・上記イベシナに参加した方でも、していない方でも歓迎
・その他、臨機応変