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廃墟
本当に大人しくなるかは不明だが、なってくれないとちょっと困る。
この農園にはどうやらおかしな木々が多いようで、触手のようにうごめく蔓も見たし、食べた人物が酔っ払いのようにふらふらし始めた果物も見た。本当になに作ってるんだ、ここ。
笑った子うさぎはなんだかちょっとかわいらしい。幼い女の子だろう、おそらく。幼さと、ふわふわと。
無表情は変わらなかったけれど、ほんの少し、雰囲気が和らぐように空気が緩む。
「あ」
本当にむしった、この子供。
躊躇がないってすごい。
結果的に自分でやらずに見ず知らずの子供に仮説を試させたことになったが、ヘタをむしられた果物はごろんと籠の底に転がって動かなくなった。
その周囲をもう一匹の果物がおろおろわたわたとせわしなく動き回っていた。が、それでもヘタなしになった果物は動かない。
「……本当に止まった、みたいだな。すごい」
感情の薄い感嘆の声だが、本当にそう思っている。
この農園にはどうやらおかしな木々が多いようで、触手のようにうごめく蔓も見たし、食べた人物が酔っ払いのようにふらふらし始めた果物も見た。本当になに作ってるんだ、ここ。
笑った子うさぎはなんだかちょっとかわいらしい。幼い女の子だろう、おそらく。幼さと、ふわふわと。
無表情は変わらなかったけれど、ほんの少し、雰囲気が和らぐように空気が緩む。
「あ」
本当にむしった、この子供。
躊躇がないってすごい。
結果的に自分でやらずに見ず知らずの子供に仮説を試させたことになったが、ヘタをむしられた果物はごろんと籠の底に転がって動かなくなった。
その周囲をもう一匹の果物がおろおろわたわたとせわしなく動き回っていた。が、それでもヘタなしになった果物は動かない。
「……本当に止まった、みたいだな。すごい」
感情の薄い感嘆の声だが、本当にそう思っている。
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目の前には、それはもう元気よく走り抜けて行く果物の群れ。
……そう、走り抜けて行く、果物の、群れ。
「……?……動いた」
果物って、動くものだっただろうか。もしかして、自分が知らないだけで動くのが当たり前なのだろうか。
目の前の状況をまじまじと見つめる、左右異色の瞳。
これがこの世界では普通なのかもしれない。なるほど、異なる世界というものは驚きに満ちている。
しゃがみこんで長々と観察していたせいで、3度目までは通過を見逃した。あんまり見事な走りで、つい。
そうして、4度目。
目の前を横切った果物をわしっと無造作に掴んで、手にしていた籠に入れる。
籠の中から出ようとする活きの良いそれを片手で押さえつつ、ことりと小首を傾げる。
「……どうやって食べよう」
今度はそれが大きな問題だった。
・【爽秋の一時】みんなで楽しく? 果物狩り
https://rev1.reversion.jp/spevent/result/18/25
これをもとにしています
・入室可能数:1名
・どなたでも歓迎
・上記イベシナに参加した方でも、していない方でも歓迎
・その他、臨機応変