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月見酒の縁側

公開版・文字の貼り場

SS貼り場やチラシの裏に書いたけど勿体ない、でも出し場に困っている。
だけどあまり人に見られないところがいい、けどやっぱ他の人にも見てもらいたいとか絶妙な場所をお探しの方。
どうぞこちらをご活用ください。

掲載する者に関しては規約に準じたもののみと致します。
最低限の公序良俗は守りましょう。それでは良きひっそりライトワークスを。

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【五話・歯に衣着せぬ……にゃん】

と、いう訳である程度菓子を仕込みつつ補充し営業再開。
そして一発目で来たのは――

「ん。クロバが店やってるって聞いたから来た」
「……こけー……zzzzz」

真っ白な犬のようで狼少女らしい、歳若げな見た目に反して喫煙者の神埼 衣(p3p004263)、そして引っ張られているようにギフトで眠っているけど起きているらしい竜胆・シオン(p3p000103)の二人だった。

「おう、衣にシオンか。お前らも宣伝で来てくれた口か」
「うん。安くしてくれると助かるな」
「闇市が……闇市が……zzzz」
「夢の中まで闇市に飲み込まれないでいい!!!?」

と、「嘘だよー……」とシオンがダブルピース決めつつ。
早速二人に品物を見せてみる。

「甘いもの……どれがいいか迷っちゃう。どうせだから決めてくれると助かるな」
「……俺はなんでもいーよー……」
「お前らに良さげなのか……そうだなぁ」

今ある品ぞろえ、そして衣とシオンとを交互に目を遣る。

「なら、ちょっと遊び心入れてオレのを入れてみたんだよな……これとかさ」

二人にそう言って差し出したのは元いた世界、地球の中でも日本という国で親しまれた和菓子と言われる種類。
今回は音を鳴らす”銅鑼”に似ているからその通りの名がついた――どら焼きを勧めてみるのだった。

「銅鑼焼きという。中に餡子の入った焼き菓子になるんだが」
「面白い形だ。これなら見た目的にも面白いし良さそうかも?」
「……サムライソードを使う人間は菓子と一緒に茶をしばき倒すって聞いたー……zzz」
「なんか色々屈折してないかそれ……まぁ、シオンの言う通り和菓子って言うんだが。こいつは緑茶と合わせて食べるのが美味いらしい。生憎と茶の持ち合わせがないのでアレだが」
「ううん、だったら探してみる。旅人のおかげでいろんなものが商店に出るし見つかる筈。これ頂戴?」
「ほいほい、毎度アリだな」

衣とついでにシオンの分で代金をもらう。
……そう言えば自分で勝手に作ったメニューなのでロクな料金設定を決めていなかったが。
まぁ、特にイレギュラーズだし稼ぎには困ってないだろう、きっとな。

「ん。ありがとう、それじゃあ私たちは行くね」
「応。ついでに宣伝よろしくな、オレの菓子が喰えるのはこの店だと今日だけだってな」
「……覚えたらやっとくー……!」

意外と和菓子売るのも悪くないな、と思ったオレだった。

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