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月見酒の縁側

公開版・文字の貼り場

SS貼り場やチラシの裏に書いたけど勿体ない、でも出し場に困っている。
だけどあまり人に見られないところがいい、けどやっぱ他の人にも見てもらいたいとか絶妙な場所をお探しの方。
どうぞこちらをご活用ください。

掲載する者に関しては規約に準じたもののみと致します。
最低限の公序良俗は守りましょう。それでは良きひっそりライトワークスを。

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【4話・ねこ、ここでもねこ、いや猫じゃないです】

「ふぅー……流石に間に合わんな」

休憩の看板を立てかけ、一度大きく息を吐く。
あれから思いの外に客足が伸びて着始め、五坪近くの比較的小さな店中の棚に並んでいた商品は徐々に減ってきていたのだった。

つまるところ、次のを用意しなければ間に合わない、確実に。
そう考えたオレは昼食も兼ねて厨房に入ろうとすると――

「……待って。私にも」
「何処から出てきたこの猫!!!!? 今休憩中って看板おかなかったかオイ!!」

裾を引っ張りながら無表情に要求してくる猫。もとい、Solum Fee Memoria(p3p000056)―――ソフィーはオレの叫びには動じない。

「……いいから」
「何がいいんだよまったく分からねぇ……仕方ない。あり合わせで適当なの作るから文句は受け付けないからな」
「……文句は言わない。美味しくなかったら爪とぎにするだけ」
「タチが悪いな!!!!!!」

仕方なく要求に応え厨房へ。

「さて、何を作ったもんか……」

元々が菓子屋な訳であり、然程料理用の食材を買い込んでいなかったことを思い返す。
ジーッと睨んでくるお姫さんを満足させなければこちらの身が危ないので、暫く考え込んでみるのだが――

「仕方ない。アレ、行くか……」

残っていた卵を割り、ホットケーキ用の粉と牛乳とで馴染むまでボウルの中で溶き始める。
牛乳は一度ではなく、数回に分けて注ぎ込み凡そ3,4セット繰り返す。
その後生地を寝かせるのだが、部屋をそこそこ涼しい状態に維持していた為か比較的短めに冷やす。
その後は熱したフライパンにバターを落とし、まんべんなく広げれば――

「……クレープ?」
「御名答。生憎とメシはないのと手の込んだ奴は商品でね。こいつで我慢してくれや」

完成したクレープ生地に余った分のカスタード、生クリーム、果物やチョコソースを掛けて仕上げる。
王道のイチゴクレープだ。

「んじゃ、召し上がれってな」
「…………」
仕事が早いねこは既にクレープを一口大にかじり、頬張っていた。
もさもさと咀嚼している姿は相変わらず無表情だったが、特に不満そうな素振りは見せなかった。
(つまり、それなりに満足してはいるって事だな……)

「……欲を言えば魔力になるようなモノがよかったけど」
「ホントに欲張りすぎだ!!!!!」

そんなこんなでオレも同じようにクレープを頬張りつつ、その後の仕込みについて考えるのだった。

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