カウンターや酒樽を用いた机のあるその場所は、恐らく以前は酒場として使われていた。
だが、酒場としての名残はせいぜい無残に割られた酒瓶程度しか残っていない。

集会所の中では一番広いため、談話するとすればこの空間になるだろう。

滅びというものは、大概は興を解さないからな。
理由もなく奪い、犯し、毀す。アンタがそうでない保証は一つもない、少なくとも俺はそう捉えた。
だが、それがアンタの美学であればむしろ信用しよう。アンタが自分なりの価値観を持ちあわせるなら言葉は通じるし、取引の相手にもなる。

（そう言いつつも、突き立てた剣は抜かない。完全に信用しているわけではないことを示すかのように）

＞対価
いや、金だ。むしろ金がいい。
金とは信用の具現化だ。物は品質の良し悪しで価値がブレるが、信用は額面通りの価値を常に持ち続ける。
ここにある壊れたガラクタや粗悪な作物で良いなら、俺は一向に構わんがな。