エマが目を付け、住み着いた集会所の一室。
例によってベッドの骨組み位しかない殺風景な部屋であったが、彼女が村から拾ってきた小さなテーブルや、傷んだ棚、ぼろぼろのチェスト等の家具が散見され、ベッドにこれまたどこからか調達したボロ布が敷かれる等、それなりに整備されている。

来客は問題なく通すようだ。選びに選んだ彼女の隠れ家故、多少警戒はされるかもしれないが……。

ああ、やっぱり？　何処か見覚えあったから。その外套。

ええ、大丈夫よ。言ったでしょ。医者に行った帰りだから着けてただけって
（そう言って包帯を外し、変身バンク（覚悟）を使って、装いが病人の服から一気にドレスのようなものに変わる、と同時に……右目からのハイライトがなくなっているのが、包帯が取れたからよくわかる）