エマが目を付け、住み着いた集会所の一室。
例によってベッドの骨組み位しかない殺風景な部屋であったが、彼女が村から拾ってきた小さなテーブルや、傷んだ棚、ぼろぼろのチェスト等の家具が散見され、ベッドにこれまたどこからか調達したボロ布が敷かれる等、それなりに整備されている。

来客は問題なく通すようだ。選びに選んだ彼女の隠れ家故、多少警戒はされるかもしれないが……。

その顔、見つけられるような分には持っていかれてもいいから。本当に大事なものは別に隠してあるパターンね？
財宝を得たと思ってさっさとお引取させてダメコンするダンジョンの常套手段だわ
（くすくすと笑って）

この剣ももう最初に持ってきてからずーっと使ってるからねぇ。
いや、もとの剣をベースに魔書から召喚するようになって、それをずっと弄り倒してるんだから、アレね。テセウスの船ってやつだわ。
（ぼけっとそんな事を言ってから）

それじゃ、今度どのくらいそのブツを扱えてるかちょっと相手をしてあげましょうか。
私は私で、個人でどう戦うというよりは、群でどう戦うかってスタイルになってるから。多分けっこういい勝負になるわよ？
（右目の包帯を撫でながら、砂糖はそういえば普段持ち歩いてないわね……とかぼやいてリラックス。安楽椅子に体重を預けているが、ほとんどギシギシ言ったりしない。）