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無銘霊廟

使い古されたファイルケース

かなり使い込まれた、古いファイルケース。
すり減っているものの、作りはしっかりしていて、まだまだ使えそうだ。

※長編個別などの長文の参照用ストック場所。

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アーマデル・アル・アマル への個別あとがき
●あなたは繰切の侵食を受けています。[伍]

●あなたは『繰切の侵食を受けた者は夜妖を引き寄せやすい』という情報を得ました。

●あなたはクロウ・クルァクがどうして白鋼斬影を喰らったのかを知りました。
 ――共に在るために。
 単純であるが故に、難しい願い。
 黒蛇を斬る使命(いのり)を帯びた白蛇ではそれが叶わないからです。
『封呪』無限廻廊は人々が安心する為の白鋼斬影という神を象ったものです。
 そう願われたから、繰切は邪神であり、無限廻廊は封呪なのです。

 今の繰切が悪性を薄めているのは、イレギュラーズが邪神たれと願っていないからなのです。
 逆説的に、封呪の綻びは暁月がそれを『信じられなくなっている』事も大きな要因の一つです。
 暁月が自分自身を信じられないから、その肩に乗る封呪も壊れてしまうのではないか。
 綻びていると他の人が認識し、それが広く知れ渡った時点で、封呪の力は弱まってしまうのでしょう。

【繰切の記憶】
 それは、神話の時代であったのかもしれず。または、ほんの数百年前だったのかもしれない。
 神の記憶は時間の感覚が人間のそれとは異なっているのだろう。
 断片的な光景は嵐の夜を映し出す。暴風雨に晒され、土砂が一気に滑り落ちて行く様。
 黒蛇と白蛇が戦った日々は甚大な水害となってこの地に刻まれたのだろう。

 戦う原因は見て取れなかった。ただ、二柱の神が戦っていた。
 獰猛な牙を剥き出しに相手の胴に噛みつけば、同じように顎が食い込む。
 クロウ・クルァクとしてこの地に流れ着いた黒蛇は、どうしたって異邦の神であるのだ。
 全てを曝け出し、死闘を繰り広げ。その末に、――混ざり合った。
 二柱の神は戦う事が楽しくなっていたのだろう。永遠に戦っていたいと思ってしまったのかもしれない。
 気持ちを同じにし、共にありたいと。
 されど、白蛇が願われたのは黒蛇を打ち倒すこと。共にあることではない。
 どうしてもクロウ・クルァクを殺さねばならない使命(いのり)を帯びている。
 ――ならば喰らおう。共にあるために。
 そうして、黒蛇『クロウ・クルァク』と白蛇『白鋼斬影』は一つとなった。
 繰切は禍つ神であると人々が信じ、それを封じるために無限廻廊を置き、留めると願った。

 燈堂の地には『邪神』が奉られている――人々の安寧の為に『封印』をして。
 そうであれと、願われた。

●あなたは自ら望み『繰切の巫女』となりました。
 繰切自身は面白いとそれを認めています。
 壺を託され、砂の国に居た頃の最後の巫女に似ている事。それが決定打です。
 今代の本巫女である廻の実質的な負担が減る事はありませんが、苦痛を共有することで精神的緩和があります。廻には申し訳無さや負い目もありますが、望んだ事であると告げると、涙を流し感謝を示しました。
 もし、廻が居なくなったり死んでしまった場合、あなたが儀式を継ぎます。つまり次代の繰切の巫女となったのです。ただ、既に他の神の信徒であるあなたが繰切の巫女を継いだとき、何らかの障壁がある事は避け得ないでしょう。

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