ギルドスレッド
『亲一个』
湿っていて、暗くって……生活していた痕もあって。本当に夜みたいな場所。
他の建物と違った、異質な、目を惹く要塞みたいなところだなと思って、惹かれるがまま足を運んでみたけれど……。
ここは一体どういう場所なんだろう。
でたらめに積み上げられて、ギリギリの均衡で建ってるみたいだ。
カレンダーが飾ってあるけど、これは一体何年前なんだろう?
こんな場所にある布団、いったい誰がどうして使ったんだろう?
布団の傍に注射器がある……。
昔の歌謡スターのポスター。
かつては賑わっていたのかな、と思うと虚しさを感じるような気もする……。
………ん?物音?誰かいる?
他の建物と違った、異質な、目を惹く要塞みたいなところだなと思って、惹かれるがまま足を運んでみたけれど……。
ここは一体どういう場所なんだろう。
でたらめに積み上げられて、ギリギリの均衡で建ってるみたいだ。
カレンダーが飾ってあるけど、これは一体何年前なんだろう?
こんな場所にある布団、いったい誰がどうして使ったんだろう?
布団の傍に注射器がある……。
昔の歌謡スターのポスター。
かつては賑わっていたのかな、と思うと虚しさを感じるような気もする……。
………ん?物音?誰かいる?
(建物にはパイプが無秩序に伸びていた。まるで、軀の隅々の、末端まで複雑に張り巡らされた血管の様だ。
けれど、其処を流れる汚水は既にカラカラで、脈打つ事を止めている。
死んでしまったのだ、全て。人々の生活の欠片を、凡ゆる所に遺して)
んんんんっんっん、んー
(縺れた動脈を辿った果て、不意に夜が晴れた吹き抜け。
ギィ、ギィ、と云う音と、調子外れな鼻歌が聴こえただろうか。
やけに野太い物干し竿にロープを結んで、板をぶら下げただけのブランコを漕ぐ姿があった)
んんんんんっんっんー。
(其処にはフェンスも、何も存在しない。手を離すなら先は、『空』が在って。
そして其の華奢な体躯にも、掛かる重力は等しい)
けれど、其処を流れる汚水は既にカラカラで、脈打つ事を止めている。
死んでしまったのだ、全て。人々の生活の欠片を、凡ゆる所に遺して)
んんんんっんっん、んー
(縺れた動脈を辿った果て、不意に夜が晴れた吹き抜け。
ギィ、ギィ、と云う音と、調子外れな鼻歌が聴こえただろうか。
やけに野太い物干し竿にロープを結んで、板をぶら下げただけのブランコを漕ぐ姿があった)
んんんんんっんっんー。
(其処にはフェンスも、何も存在しない。手を離すなら先は、『空』が在って。
そして其の華奢な体躯にも、掛かる重力は等しい)
こっちのほうから聞こえるな……。
この建物の群れ、殆ど日が差してこないのに此処だけかっぽりと空いてて空が見える……。
うん、たしかに、鼻歌が聞こえる。
わ!
(お、女の子……?なのかな?羽根が生えてる。綺麗だなぁ……。ブランコを漕いでいるけど、なんだか、そのまま飛んでいってしまいそう)
……………お、お邪魔しちゃったかな。こんにちは。えへへ。
この建物の群れ、殆ど日が差してこないのに此処だけかっぽりと空いてて空が見える……。
うん、たしかに、鼻歌が聞こえる。
わ!
(お、女の子……?なのかな?羽根が生えてる。綺麗だなぁ……。ブランコを漕いでいるけど、なんだか、そのまま飛んでいってしまいそう)
……………お、お邪魔しちゃったかな。こんにちは。えへへ。
……あら、
(ギィ、キィ。ブランコの動きが徐々に穏やかになるのを待って【彼/彼女】は着地する。
淵まではあと二、三歩という所で、空を、飛ぶ事は無かった。
白いユウガオが寄生した貌を向けて、声の主を物珍しそうな眸で頭の天辺から爪先迄見遣って)
……こんにちは。
邪魔……ではないけれど、よく此処に入って来れたわね。怖くはなかったのかしら。
嗚呼、そうね。
我姓挧、叫小羽(ウォ シン ユー、ジャオ シャオ ユ)!
我の事はシャオユで良いわ。
ふかふかそうなあなたの、お名前を聴かせてくれる?
(ギィ、キィ。ブランコの動きが徐々に穏やかになるのを待って【彼/彼女】は着地する。
淵まではあと二、三歩という所で、空を、飛ぶ事は無かった。
白いユウガオが寄生した貌を向けて、声の主を物珍しそうな眸で頭の天辺から爪先迄見遣って)
……こんにちは。
邪魔……ではないけれど、よく此処に入って来れたわね。怖くはなかったのかしら。
嗚呼、そうね。
我姓挧、叫小羽(ウォ シン ユー、ジャオ シャオ ユ)!
我の事はシャオユで良いわ。
ふかふかそうなあなたの、お名前を聴かせてくれる?
(興味深そうに相手の顔を覗き見る。
綺麗に咲いた右目の花に一寸見惚れるが、慌てて落ち着きを払い)
じゃお、しゃおゆ……シャオユさん、ですか!
我是、黎 冰星(ウォ シイ、レイ ビンシン)。
どうぞなにとぞ。(にっこりと抱拳礼をし)
この要塞みたいな建物が気になって訪れてみたんです。
あなたは、ずっとここにいるのですか?ひとり……?
綺麗に咲いた右目の花に一寸見惚れるが、慌てて落ち着きを払い)
じゃお、しゃおゆ……シャオユさん、ですか!
我是、黎 冰星(ウォ シイ、レイ ビンシン)。
どうぞなにとぞ。(にっこりと抱拳礼をし)
この要塞みたいな建物が気になって訪れてみたんです。
あなたは、ずっとここにいるのですか?ひとり……?
(じぃ、と見つめ返し、口元を緩める。
其の花につけられた言葉は、「夜」「罪」「魅惑」とかそんなもの。
夏に咲く、黄昏の花だ)
れい、びんしん……冰星、ね! そう呼んでも構わなくて?
(見様見真似ね礼を返す。金属の打つかる音が、下へ、下へと落ちて行った)
ええ、そうよ、ずっとひとり。
……我を見つけてくれる、運命の人を待っていたの、なんて。
そう言ったら、如何するかしら?
其の花につけられた言葉は、「夜」「罪」「魅惑」とかそんなもの。
夏に咲く、黄昏の花だ)
れい、びんしん……冰星、ね! そう呼んでも構わなくて?
(見様見真似ね礼を返す。金属の打つかる音が、下へ、下へと落ちて行った)
ええ、そうよ、ずっとひとり。
……我を見つけてくれる、運命の人を待っていたの、なんて。
そう言ったら、如何するかしら?
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魅入られた者は二度と還って来ないと謂れた其処は正しく最果て。悦びと愛しみの骸。
崩れ掛けた壁の内側に打ち寄せるのは、人々が吐いた曖昧な嘘と胡乱な愛。要らなくなった凡ゆる言葉の奔流を堰き止めるだけの棺の様。
嘗ての其処に、法は存在せず、正義は存在せず、在るのは其々が掲げる矜持と身勝手な秩序。
たった一つのルールは、十四階以上を造ってはいけない事だった。
何故なら、翼の生えた者以外は空を飛べないと云う事である。そして、自死にぎりぎり足り得ない高さ、其れが十四階だった。或いは、猫であれば無傷であるかも識れないが、人は愚かだから。
まるで子供がそうする様に、ブロックを積み上げられたかの様な世界には日が差さない。何時もが夜の帳に包まれていて、然して本物の夜が来れば犯罪が横行し、暴力は百の言葉に勝る。
口にするのも悍ましい薬物が盛んに取引され、男も女も春を売った。其処彼処に舞う名残の紙幣は今は何の意味も持たない紙切れだ。メモ代わりにすら使えやしないだろう。
――そんな失われた場所で、彼女は目覚めた。
――そして満月の夜には、月長石を浸した清らかな水を口に含んで、月にこう尋ねるのだ。
――『他喜欢我吗?』だなんて。