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『亲一个』
(じぃ、と見つめ返し、口元を緩める。
其の花につけられた言葉は、「夜」「罪」「魅惑」とかそんなもの。
夏に咲く、黄昏の花だ)
れい、びんしん……冰星、ね! そう呼んでも構わなくて?
(見様見真似ね礼を返す。金属の打つかる音が、下へ、下へと落ちて行った)
ええ、そうよ、ずっとひとり。
……我を見つけてくれる、運命の人を待っていたの、なんて。
そう言ったら、如何するかしら?
其の花につけられた言葉は、「夜」「罪」「魅惑」とかそんなもの。
夏に咲く、黄昏の花だ)
れい、びんしん……冰星、ね! そう呼んでも構わなくて?
(見様見真似ね礼を返す。金属の打つかる音が、下へ、下へと落ちて行った)
ええ、そうよ、ずっとひとり。
……我を見つけてくれる、運命の人を待っていたの、なんて。
そう言ったら、如何するかしら?
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魅入られた者は二度と還って来ないと謂れた其処は正しく最果て。悦びと愛しみの骸。
崩れ掛けた壁の内側に打ち寄せるのは、人々が吐いた曖昧な嘘と胡乱な愛。要らなくなった凡ゆる言葉の奔流を堰き止めるだけの棺の様。
嘗ての其処に、法は存在せず、正義は存在せず、在るのは其々が掲げる矜持と身勝手な秩序。
たった一つのルールは、十四階以上を造ってはいけない事だった。
何故なら、翼の生えた者以外は空を飛べないと云う事である。そして、自死にぎりぎり足り得ない高さ、其れが十四階だった。或いは、猫であれば無傷であるかも識れないが、人は愚かだから。
まるで子供がそうする様に、ブロックを積み上げられたかの様な世界には日が差さない。何時もが夜の帳に包まれていて、然して本物の夜が来れば犯罪が横行し、暴力は百の言葉に勝る。
口にするのも悍ましい薬物が盛んに取引され、男も女も春を売った。其処彼処に舞う名残の紙幣は今は何の意味も持たない紙切れだ。メモ代わりにすら使えやしないだろう。
――そんな失われた場所で、彼女は目覚めた。
――そして満月の夜には、月長石を浸した清らかな水を口に含んで、月にこう尋ねるのだ。
――『他喜欢我吗?』だなんて。