さあ、《勇者の特権》にご参加のお客様。
　生き馬の目を抜くようなこのゲームではあるが、それだけでは疲労困憊してしまうというもの。
　存分に菓子でも楽しみながら、自由に過ごしてくれたまえ。

さて……少々質問があったので答えておこう。

このゲーム、その気になれば参加者同士で結託し、特定人物を蹴落とすことなど然程難しいものではない。特に、現時点でランキングを独走しているシラス君などは、誰もが言葉に出さずとも、最大限の警戒をしているに違いあるまい。

……実は、それ自体はわしらの想定の範囲なのだ。
無論、あまり露骨なことをされては面白くないため、多少のルール調整は行なった。しかし、わしらは《勇者の特権》を最初から、完全な個人競技としては見てはいないっ……！
わしもヨハナ君と同様、あまりお喋りが過ぎぬうちに口を閉ざすとするが、ルールは諸君が様々な可能性を模索できるように作られておる。ブレイブメダリオン・ランキングで上位を狙おうという勇者諸君であれば、それらの可能性にも気付いてくれると期待している。