PandoraPartyProject

ギルドスレッド

スレッドの一部のみを抽出して表示しています。

造花の館

住い

鉄帝首都のメインストリートに面した家屋。
ところどころ幻想様式の改築跡が見えるので、探せばすぐそこだとわかる。

二人で済むには十分すぎるほどの広さ。
庭には丁寧に手入れをされた花が咲き、華やかな彩りで迎える。
手伝いのものが出入りする様子や、この家の住人である綺麗な少年少女が生活している様子が覗き見えるが……不思議なことに、親らしき人物が出入りするところを誰も見たことがないという。

→詳細検索
キーワード
キャラクターID
(勝つべきだった。
 
 『そんなに大事なら自分のものにすればよかったじゃない。』

 あの女の声と、態度と、無関心を借りた己自身が、負けた己の足りない部分をまざまざと指摘する。もっと残酷であれば強くなれた。もっと冷徹であれば痛がらずに済んだ。いままでそんなことが何度もあったろうと事実を指摘する。そもそもこんなことを考えている時点でダメだった。弱かった。中途半端でどうしようもない。勝てる要素などなにひとつない。
 当然の帰結だと雄弁に説いては、もっと差し出せと己を強請った。)




(勝つべきだった。

 勝つべきだった。

 そのことばかりが逃げ場なく己を苛んだ。
 誰にも見られたくなかった。近くに置いたものなら猶更だった。せめて上辺だけでも上等を装いたかったがそれもまた怪しく、いっそ関係性を綺麗に洗い流した方がいいとまで思い始めた。思い始めたが、そこまで思い切りがよければこんな中途半端な身の上にはなっていなかった。
 昔はそうじゃなかった。己は歳をとって弱くなった。)



(一際、強い渇きをもらしそうになって――――――自分の千切れた右手が、己の口をふさぐ。これ以上、弱い姿をさらす可能性を見過ごせなかったのだろう。大した傲慢さだと思った。)

キャラクターを選択してください。


PAGETOPPAGEBOTTOM