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造花の館

住い

鉄帝首都のメインストリートに面した家屋。
ところどころ幻想様式の改築跡が見えるので、探せばすぐそこだとわかる。

二人で済むには十分すぎるほどの広さ。
庭には丁寧に手入れをされた花が咲き、華やかな彩りで迎える。
手伝いのものが出入りする様子や、この家の住人である綺麗な少年少女が生活している様子が覗き見えるが……不思議なことに、親らしき人物が出入りするところを誰も見たことがないという。

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(半身不随という言葉がある。
 この状況は間違いなく半身不随である。

 まず、半身が消失している。
 力任せに薙ぎ払いを受けて、腹部とそこから下が砕け散っている。
 左腕は取れた。右腕も手首から先しかない。意識を強く持てば、右手を動かせないこともない。
 左半身と下半身が機能しない状況だから半身不随。笑いとしては出来が悪い。
 なにより自分自身微塵も面白いと思えないのだから、この状況は冗句としても出来が悪い。

 どうにか守り切った頭部は、縦のひび割れが四,五条走って、美しさを害している。
 呼吸をするたびに軋むような笛の音が薄く小さく頭に響くのは、喉に走った亀裂が鳴っているからだ。
 喋れるだけ十分だろう。十分と思うことにする。

 本当なら、こういう姿を誰にも見せないように寝床を作ったはずである。
 意思疎通が図れない状態になった時、自分は領地に運ばれて、そこで事が落ち着くまで篭ることができるのだが。
 だが、引き取り手が来た場合は話が変わる。変わってしまう。変わったのだ。)
 

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