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造花の館
昔々あるところに、呼び声に怯える2人の人間がいた。
2人とも己の中にある欲望を自覚し、いざその誘惑が目の前に現れた時に抗えるという、確固たる自信を持ちえなかったからだ。
ひとりは欲望に触れぬように、世俗との関わりを断った。自らの内にある欲望を、己自身とともに封じ込めるように、誰の手にも届かないように閉じこもってしまった。
ひとりは欲望と向き合うことを選び、自らの欲望と対峙し続けた。食べたいときに食べ、眠りたいときに眠り、その時に夢見た目標を追いかけて、誘惑そのものとの付き合い方を模索した。
それから月日が経つ。
閉じこもったひとりは何も満たされず、孤独に震えた。何も成し遂げられぬまま時は過ぎることに怯え、徐々に膨らんでいく欲望に飲み込まれることを恐れた。
欲望と向き合うひとりは満たされ、さらなる夢を追い求めた。鳥のように天を舞う翼を授かりたいと願い、そのための祈りと努力を重ねた。膨らみゆく欲望と共にあることを選んだ。
2人とも己の中にある欲望を自覚し、いざその誘惑が目の前に現れた時に抗えるという、確固たる自信を持ちえなかったからだ。
ひとりは欲望に触れぬように、世俗との関わりを断った。自らの内にある欲望を、己自身とともに封じ込めるように、誰の手にも届かないように閉じこもってしまった。
ひとりは欲望と向き合うことを選び、自らの欲望と対峙し続けた。食べたいときに食べ、眠りたいときに眠り、その時に夢見た目標を追いかけて、誘惑そのものとの付き合い方を模索した。
それから月日が経つ。
閉じこもったひとりは何も満たされず、孤独に震えた。何も成し遂げられぬまま時は過ぎることに怯え、徐々に膨らんでいく欲望に飲み込まれることを恐れた。
欲望と向き合うひとりは満たされ、さらなる夢を追い求めた。鳥のように天を舞う翼を授かりたいと願い、そのための祈りと努力を重ねた。膨らみゆく欲望と共にあることを選んだ。
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要約すると『暇だから遊びに来るね』みたいな感じの。」
この地域で一番の、そしてこの地域では唯一の執政官が、好奇心とデバガメ根性からくる愉快そうな面を浮かべている。腕の中にはポストから持ってきた仕事上の手紙の束。その中にはあのうさん臭い教祖からのの私用の手紙が紛れ込んでいたのだろう。
最近思うのだが、こいつに手紙の持ち込みを任せるのは間違いかもしれない。それか私用のポストを別に分けておくべきだろう。
「へ~~~~……エントランスでお迎えするんですね?執務室じゃなく?
あんまり仲良くない感じの人なんですか?
でも仲良くないひとならそもそもOKサイン出しませんよね。」
探りたがりのバカを睨みつけ、仕事に戻るように促す。肩をすくめながら気のない返事で書類仕事に戻っていく。
仲がいいわけではないというのは事実だ。だが使い道はある。
秘密を探られるリスクや、領民に交友の広さを示すポーズをとるならこの程度でいい。というかいまいち得体の知れないやつを屋敷の奥に招き入れるとか普通に抵抗あるだろうが察しろ。