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造花の館

翼カルトってなんだよ

「領主~、翼カルトのえらい人から手紙着てますよ。
 要約すると『暇だから遊びに来るね』みたいな感じの。」

この地域で一番の、そしてこの地域では唯一の執政官が、好奇心とデバガメ根性からくる愉快そうな面を浮かべている。腕の中にはポストから持ってきた仕事上の手紙の束。その中にはあのうさん臭い教祖からのの私用の手紙が紛れ込んでいたのだろう。
最近思うのだが、こいつに手紙の持ち込みを任せるのは間違いかもしれない。それか私用のポストを別に分けておくべきだろう。

「へ~~~~……エントランスでお迎えするんですね?執務室じゃなく?
 あんまり仲良くない感じの人なんですか?
 でも仲良くないひとならそもそもOKサイン出しませんよね。」

探りたがりのバカを睨みつけ、仕事に戻るように促す。肩をすくめながら気のない返事で書類仕事に戻っていく。

仲がいいわけではないというのは事実だ。だが使い道はある。
秘密を探られるリスクや、領民に交友の広さを示すポーズをとるならこの程度でいい。というかいまいち得体の知れないやつを屋敷の奥に招き入れるとか普通に抵抗あるだろうが察しろ。

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遡ること100年と少し。
練達に一人の青年が居ました。名をカロス・メナイサと言います。
何を隠そう、そのお方こそが羽衣教会を立ち上げた、いわゆる教祖さまなのです。

彼はただのカオスシードとして生を受けた身でありながら、翼を持ち大空を自由に飛び回るウォーカーに憧れを抱いていました。

そして、人々に奇異の目で見られながらも様々な修練を積み、ついに翼を手に入れるに至ったのです。

その時にカロス様は「自由とは、運命という奔流の中に見出す一筋の道標のことである」という言葉を残しました。

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