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造花の館
「しめおん」側からの執着はもちろんあったと思うぞ。
だがそれは、心から信頼している友が、何も言わずに出て行ったことに対する怒りと、それでも友であるが故に尾を引き続ける情けからくるものが大きいだろう。
彼視点ではあまりにわからないことが多く、傘屋の娘のところに通ったのも、もしかしたら傘屋の娘が「ろおれんぞ」や当時のことについて語ってくれるかもしれない、という期待があったのかもしれないな。
一方で「ろおれんぞ」は……恋慕の情をもっていたかはさておいて、自らを一個人として最大限に尊重してくれる相手が「しめおん」だった。だが改めて嘘を指摘されることで胸中に罪悪感が生まれる。けれど真実を告白すれば僧院にはいられない。むしろ「しめおん」の立場すら危うくする。
破門を言い渡された後にでも真実を語る隙はあったかもしれんが、彼女はそれを選ばなかった。
「ろおれんぞ」はあくまで「ろおれんぞ」として、彼にとっての『良き友』として関係性を終わらせることを選んだ。
・・・こう考えると、破門後も祈りを捧げるために僧院に通い続けたことにも、別の意味が見えてくるよな。
だがそれは、心から信頼している友が、何も言わずに出て行ったことに対する怒りと、それでも友であるが故に尾を引き続ける情けからくるものが大きいだろう。
彼視点ではあまりにわからないことが多く、傘屋の娘のところに通ったのも、もしかしたら傘屋の娘が「ろおれんぞ」や当時のことについて語ってくれるかもしれない、という期待があったのかもしれないな。
一方で「ろおれんぞ」は……恋慕の情をもっていたかはさておいて、自らを一個人として最大限に尊重してくれる相手が「しめおん」だった。だが改めて嘘を指摘されることで胸中に罪悪感が生まれる。けれど真実を告白すれば僧院にはいられない。むしろ「しめおん」の立場すら危うくする。
破門を言い渡された後にでも真実を語る隙はあったかもしれんが、彼女はそれを選ばなかった。
「ろおれんぞ」はあくまで「ろおれんぞ」として、彼にとっての『良き友』として関係性を終わらせることを選んだ。
・・・こう考えると、破門後も祈りを捧げるために僧院に通い続けたことにも、別の意味が見えてくるよな。
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幻想風の調度品ばかりかと思えば、執務机の中央にはコンピュータのモニターが鎮座し、もっといえばエアコンまでついている。
アンティークに紛れて文明の利器がそこかしこにある。
再現性の民に言わせれば「古典趣味的」な部屋だろう。
セレマは訳知りの個人的客人はこちらに通すらしい。
いつ来ても部屋いっぱいに焚かれた香(のような独特の香り)があなたを出迎えてくれるだろう。
然るべき客人であるならば。
●やってはいけないこと
・知らない声が聞こえても返事をしてはならない
・書類や機械は勝手に触らない
・執務机の載せた天秤はアンティークではないので触れてはいけない