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造花の館

閉架式書庫

セレマの図書室は造花の館のなかでも大きな割合を占めている。
入ってすぐ目につくのは、一面に並んだ自動スタックランナーの列だ。
練達の技術によって自動化された図書室は、常に書物にとって最適な温度と湿度を保ち続けており、微かに香るミントの香りで満たされている。

セレマ自身が使うためのテーブルもソファもあるので、ここで快適に本を読むこともできるだろう。


●主要な蔵書
・混沌各地で集めた物語
・異世界の戯曲や脚本多数
・歴史書ならびに民俗学書
・魔術関連の一般的学術書
・詩集、画集、楽譜などの芸能に関する本

●やってはいけないこと
・天秤を載せた丸テーブル席に座ってはならない
・意識がハッキリしないならここにいてはならない
・奥にある開かずの扉の先にあるものを気にしてはならない
・知らない声が聞こえても返事をしてはならない

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いいか美少女。
浅ましい人間の妄想の種になってしまうことは、美しく尊い存在であるが故の宿命だ。
そいつらはその妄想を慰みとして、たったひとつの生きる支えとするんだから、そういう妄想をされることそのものは寛大な心で認めるしかないがそれはそれとして気色悪い妄想を押し付けられると繊細な心が傷つくから謝罪と慰謝料を請求するよね。
高名な芸術家が金を詰んで「作品にさせてくれ」と頭を下げて頼んだうえで、ボクの美しさに見合う価値を備えた画力と、余人の心を打つような素晴らしいストーリーを用意してくれるなら………考えなくはないが。

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