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造花の館

閉架式書庫

セレマの図書室は造花の館のなかでも大きな割合を占めている。
入ってすぐ目につくのは、一面に並んだ自動スタックランナーの列だ。
練達の技術によって自動化された図書室は、常に書物にとって最適な温度と湿度を保ち続けており、微かに香るミントの香りで満たされている。

セレマ自身が使うためのテーブルもソファもあるので、ここで快適に本を読むこともできるだろう。


●主要な蔵書
・混沌各地で集めた物語
・異世界の戯曲や脚本多数
・歴史書ならびに民俗学書
・魔術関連の一般的学術書
・詩集、画集、楽譜などの芸能に関する本

●やってはいけないこと
・天秤を載せた丸テーブル席に座ってはならない
・意識がハッキリしないならここにいてはならない
・奥にある開かずの扉の先にあるものを気にしてはならない
・知らない声が聞こえても返事をしてはならない

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次の日の朝。
王子様は何とかしてあの舞踏会の女性を探し出そうと、おふれを出しました。
銀のティアラの持ち主をお妃さまにする、というので、身分の高い女性が次々に王子様の元へと訪れました。
アドリーヌも王子様の元へと訪れましたが、アドリーヌの姿は醜くなっていたので、門番の兵士に追い払われてしまいました。
王子様が探していたのは、銀のティアラを戴いたアドリーヌなのです。アドリーヌではありませんでした。
最後はアドリーヌ姉妹とは、全く無関係の女性が、王子様と結婚することになりました。
アドリーヌが悲しみに暮れる中、結婚式は国中を挙げて七日間行われました。

(挿絵:門前払いを食らうアドリーヌが必死に門番に縋りつく。
    門の向こうでは王子による祝宴が開かれている。)

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