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捩れ木の匣

ある夜、森の入口。

ある夜、森の入口。
すでに陽も遠く涼しい風。虫の歌声が聞こえている。
家馬車の脇でおんぼろ外套が火を焚いている。
石の輪の中、串に刺された肉が焼ける香りが煙と共に上がる。
君は焚き火に加わっても良いし、足早に通り過ぎても良い。

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(簡易の炉端で火を眺めているのは、かつては上等だったのだろう黒外套の青年。
 傷痕だらけの痩躯に虚ろな眼差し、出で立ち如何にも不気味だが、
 仄明かりが照らす真白い顔はよくよく見れば意外にも秀麗だ。)

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