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蜘蛛ノ根城

資料室【大欄蜘蛛】

これはワタシの救いようがないクソッタレな昔話だ。
面白さの欠片もない不幸で不憫なお涙ちょうだいな話だよ。
全く思い出したくもないが、記録として残しておけっていわれたもんでな

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その日から少女の生活は変わった。
生憎とも村というのは小さいコミュニティでね、両親を失った少女に対して色々と優しく接してくれたよ。
お陰で飢えずにすんだし、好きなだけ勉強に集中できたさ。
時折やってくる商人から薬学の本を買い、本気で勉強したものだ。
山に入っては薬草だとか毒草だとかをかき集め、混ぜ合わせては自分で試したものだ。2、3いやもっとだな。死にかけたことも苦い思い出だ。
村に医者なんてものはいなかったからな。気付いたらワタシがその立場になっていた。あぁ、勿論基本的にはちゃんとした薬を処方していたぞ?
お陰で村での死亡率は少しは軽減出来ていたと自負している。
まぁ、それもアレが来るまでの話だがな。

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